鉄腕Bダッシュ! (第4話)

 バイパスを下りて、R150を目指して焼津の街を南進する僕ら。しばらく進むと左右に飲食店が多数ある界隈に入りました。
 渋滞のせいで、既に昼食時が過ぎつつあり、すっかり腹を減らした僕らは、ここで昼食をとるとの意見で一致しました。しかし、休日のせいか、どこも混んでいます。一応、競技の最中であるとの頭があったので、並んでまで、ゆっくりと昼飯を食べる暇はないとの判断から、僕らはそこそこ駐車場の空きにゆとりがあるファミレスに立ち寄ることにしました(この後の文章の内容から、実名を書くことは避けます)。
 店内に入った僕らは、さっそくオーダーを行います。僕と無双祭さんがステーキ、ジョイトイがハンバーグを頼みました。
 するとこのステーキ肉が、いま一つ、否、いま二つ、いま三つの味なのです。なんかこう、どこを食べてもスジ且つ脂身の部分を食わされているようなペッタン、ペッタンした残念な食感と味で、食べている途中から、すっかりゲンナリしてしまいました。
 とは言っても、それは味覚音痴のお前の感想だろう。そう思ったパソコンの前のあなたは、なかなかの当ブログ通ですね。でも残念ながら、無双祭さんも僕と全く同じ感想を持ったそうなので、おそらく僕の判断は間違ってないと思います。あしからず。
 このファミレスで唯一褒められた点は、スープが飲み放題だったことぐらいかな。ハンバーグは普通だったとジョイトイが言っていましたが、ハンバーグってファミレスで不味く作る方が難しいぐらいのレシピなので、あんまりフォローにはならないよね。
 相当に心を折られたわけですが、それでも腹は膨れたので、僕らは再び西へと向かって車を出しました。
 しばらく進み150号線に出たものの、焼津から相良にかけてまで、ほとんど土産物屋やら道の駅の形跡はなし。午後の2時近くとなり、未だにカレーラムネしか購入できていないため、いささかの焦燥感が車内にはびこります。
「やべぇな。ある程度覚悟はしていたが、ここまで道の駅がないルートだとは思わなかったぜ。このまま150号を進んでも埒が明かねぇかもしれねぇぞ」
 運転していた僕がぼやくと、ジョイトイが言いました。
「だったら、このまま掛川に向かったらどうだ?」
掛川?」
「ああ、確かあそこは城下町の風情を出そうと、街ぐるみで取り込んでいて、街並みもそれっぽいものに近づけているはずだ。そんなところなら、面白い土産物もおいてあるんじゃないのか」
「ふむ……、おもしろいかもしれんな」
「ゲン君、そうとなったら、掛川に行こう」
 ジョイトイの提案に僕も無双祭さんも賛成を表明。
 僕は愛車のハンドルを掛川方面へ切りました。 (つづく)