鉄腕Bダッシュ! (第6話)

 掛川花鳥園にやって来た僕らは、さっそく入場料を支払い、園内へと進みます。
 もちろん土産物だけ買って帰るのは、料金がもったいないので、一回り見学することにしました。
 花鳥園というだけに、施設内は熱帯を模した植物で彩られ、そこを無数の色鮮やかな鳥が飛び交っています。
 と、文面だけ読むと、まるで楽園のようなところなのですが、現実はそうとは言い切れません。生き物である以上、出すものは出すわけで……。地面を見渡すと、どこもかしこも、糞、糞、糞、糞。何人ものスタッフが常に清掃を行っているのですが、それでは間に合わない勢いで、奴らは糞を大量生産するのです。
 しかも、まるで笑いの神に魅入られたかのように、僕はこの日、おろし立ての靴で来てしまったわけです。
 いくら僕が笑い重視の人生を送っているとはいえ、おニューの靴をクソまみれにされた日には、これからの人生、どんな顔をして笑えばいいのか、わからなくなります。
 そんな思いが働き、地べたに注意して歩くものの、下にばかり気を取られては、頭上にお土産を頂く可能性もあるわけで……なかなか精神的に追い詰められながらの見学と相成りました。
「ええいッ、こんなところに長時間いられるかッ!」
 いよいよ限界に達した僕らは、施設の外へと逃げ出します。するとそこには、エミューと言われる、もはや鳥類の域を超えかけた巨大鳥がたむろしていました。
「ギャァァァッ、デカくて怖ぇッッ! ジョイトイ、俺達が逃げるまで貴様がこの鳥どもの相手をしていろッ!」
「できるかッ!」
 こんな的確な指示(?)を出したりしながら、僕らは園内の見学を終えました。
 そしていよいよ土産物コーナーにたどり着くわけですが、どんなに目を見開いて物色しても、これといって僕ら受けするような、面白い物はありませんでした。
 誤解のないように言って置きますが、素敵な土産物はたくさんあるんですよ。ただラインナップが真面目すぎて、今回の企画には向かない感じだったということです。くれぐれも履き違えないようにお願いします。
 こうして無収穫のまま花鳥園を出た僕ら。さすがにこれ以上、土産物を探すのは時間的に苦しいので、3つ目は帰路の東名のサービスエリアで、何か適当な物を買うとのことで結審しました。
 うーん、グダグダですみません。
 結局、牧之原SAで『世界のやまちゃん 手羽先味キャラメル』(もはや静岡の面白土産ではない)を購入し、僕らは制限時間の直前、待ち合わせ場所へと舞い戻ったのです。 (つづく)