鉄腕Bダッシュ! (第7話)

 静岡某所の待ち合わせ場所に僕らが着いたときから、時をほぼ同じくして東軍メンバーも舞い戻って着ました。さらには夕食会(審判の場)からの参戦となるクロさん、トシさんも合流し、僕らは1遊びしたのち、夕食会の行われるお店へと向かいました。
 予約も何もしていなかったのですが、
「おい、個室でやらせてくれ」
 と、お願いすると、さっそく会場を作ってくれました。
 アンタ達、気持ちの良い接客だね。また使わせてもらうよ。
 心の中で感謝しながら、席に付き、注文を終えたところで、さっそく競技に移ります。
 どのアイテムをどの順で出すかは、各チームの自由。つまり出し方によっては、勝敗が左右されることもあるのです。だからここでの相談は、意外と重要になってくるわけですね。
 相談の結果、僕ら西軍は、カレーラムネ → 茶ップリン → 世界の山ちゃん(キャラメル)の順で出すことにしました。
 そうと決まれば、さっそく勝負……と、いきたいのですが、その前にここで東軍が如何なる動きをしたのかを、端的に説明しましょう。
 彼らは、静岡を出発後、富士方面に行き、まずは富士川楽座に到着。その後北上し、富士宮を中心に、焼きそばを食ったり、道の駅に寄ったりして楽しんだそうです。渋滞には一切嵌らなかったとか……なんだこの格差は?
 なにはともあれ、第1回戦。僕らが『カレーラムネ』を出したのに対し、東軍が出したのは、まさかの『おっぱいプリン』!
「この下衆どもがッ! いきなり下ネタかよッ!」
「グフフフフッ! 何を言うか! 面白い土産物の『おもしろい』は、広義と決めたのは、貴様の方であろう!」
 こうしていきなり波乱の対決を迎えたのですが、審判団の競技の結果は以下のとおり。
「只今の競技は、カレーラムネの勝ちとします」
「なっ、なんだと!」
 狼狽するキクチに、審判団が告げます。
「おっぱいプリンは、安易に笑いを取ろうとして買ってきたのが見え見えで、なんだか勝たせるのが嫌だったんだよ。それに比べて、カレーラムネは真摯に、この企画に取り組もうとする意識が見られて良かったんだと思う。実際に見たことなくて、おもしろかったしね」
「こんなもん、どこにでも売ってんじゃねぇかよッ!」
 逆切れするキクチ。しかし、審判団の目に目新しく映ったのなら、それが全てなのが、この対決の面白いところ。
 まさか何の気なしに買ったカレーラムネで、ラッキーパンチ炸裂! 勝利に王手をかけた西軍、このまま勝利なるかッ!? (つづく)