発狂! パワフル信濃旅! (第2話)

 キクチ、NOVさん、クロさん、トシさん、ホリコ。まさかの多数会員の企画不参加発言。
 しかし、僕に焦りはありませんでした。なにせ脅威の企画参加率を誇り、美食倶楽部で1番おもしろいと言われる男が、まだ残っているからです。
 その男とは、もちろんこの方。
「なぁ、ジョイトイ。おめぇは、どうせ5日、暇だろ?」
「いや、すまないが、明後日はちょっと別の用があって……」
 ええッ!?
 鉄板で参加と思われた彼からも、まさかの不参加発言。
 僕は、その場に崩れ落ちました。
「みっ、みんな、不参加だなんて。……わかっていたよ、美食倶楽部会員諸君。あらかじめ予定を決めておいてなんぼのGWに、急に長野に行こうなんて言い出した俺が馬鹿だったのさ。……みんな、俺のことなんて放っておいて、楽しいGWを過ごしておくれ。ヨヨヨヨヨ……」
 すっかり落ち込む僕。次の瞬間、そんな僕の肩に、後方からふと優しく手が置かれました。
 振り返ると、そこには無双祭さんがいました。
「ゲン君、僕と長野に行こう」
 おお、メシア現る!
 寂しがりやで、1人旅(特に車での)は絶対にしたくない僕ですが、仲間が1人でもいれば、オールオッケーです。
 途端に元気が出る僕。
「俺と一緒に行ってくれるのかい、無双祭さん。行こう、行って、忘れられないぐらいの素敵な旅にしよう!」
 こうして僕と無双祭さんは、5月5日に長野に行くことになりました。
 しかし、このときの僕と無双祭さんは、まだ知らなかったのです。本当に忘れられない旅になってしまうことを……。 (つづく)