発狂! パワフル信濃旅! (第3話)

 平成21年5月5日。
 僕は朝の8時に家を出発。無双祭さんの家に向かいました。まぁ、このぐらいに静岡を出れば、昼ぐらいに長野に着いて、名物の信州蕎麦を頂くのに、ちょうど良い時間になっているだろうとの計算からです。
 無双祭さんと合流後、僕らはバイパスを西へ向かいました。
あれ、清水に住んでいるお宅らは、52号線で長野に行く方が近いはずなのに、どうして東方面ではなく、西へと向かったの?
 そう思った貴方は、なかなかの静岡の地理通でございますね。
 しかし、前回の話にもあったとおり、この日の企画は、浜松の奥地から長野に抜けてみようとの冒険企画だったため、最初は西に向かったのであります。
 さて、3日前は散々苦しめられた国1バイパスですが、この日は連休中日とあって、それほどの混雑は見られませんでした。順調に西へと向かい、浜松某所でバイパスを下りて、そこから北へ。
 実はこの道、かなり前にNOVさんと、ジョイトイ佐久間ダムを見に来たときに通った道で、山のわりには、意外と道が舗装されており、走りやすいと思ったほどでした。
 これならわりかし簡単に、長野に抜けられるんじゃねぇの?
 そう思いながら、車を走らせていたところで、僕の心を折る事件が起こったのです。
 それは標識に、『飯田 120キロ』と記されていたから。
 ゲッ、浜松から散々走ったっていうのに、まだ飯田までそんなに距離があるのッ!?
 おそらく県境までは、もう少し距離は少ないと思うのですが、このルートですと、長野に入ってから、最初に到着する都市らしい都市は、飯田になると踏んでいたので、僕らはまず飯田を目指していたのです。
 とはいえ、道は悪くないから、このまま地道ながらも快適にドライブができれば、そうそう遠くは感じないだろう。
 そう思っていた矢先のこと。
 あれ? なんだか、道が急に悪くなったよね。
 舗装こそされているものの、整備の質が圧倒的に落ちたのです。さらにはグネグネ山道が延々と続くようになり、そんな道の曲がり具合に比例するかのように、天候も悪化。土砂降りとなりました。
 悪天候、悪路、山道。3拍子揃ったときの悲惨さといったらないですよ。
 それでも僕には、まだ仲間がいる……って、む、無双祭さんッ!? 
 どうやら悪路に準じた僕の激しい運転で、彼は気分を悪くした模様です。グッタリしていました。
 この状況で、頼みの綱の仲間までも……。
 助けて下さいッ! 助けて下さいッ! 助けて下さいッ! (つづく)