美濃出兵(第2話)

 平成21年7月18日。
 早朝に集合を終えた僕らは、東名高速道路にのって、一路岐阜へ。
 いつものとおり運転手の僕に、遠足前日の小学生シンドロームが発症し、睡眠時間が数時間しか取れませんでしたが、朝に限っては、その影響はありません。
 2度の休憩を取ったり、軽い渋滞に巻き込まれはしたものの、大きな異変はなく、朝の10時前には岐阜に到着しました。
 岐阜といえば、まず岐阜城に挨拶しないことには、話が始まらないと思った僕は、岐阜ICを降りてから、真っ先に岐阜城のある金華山へと向かいました。さすがに難攻不落の山城と謳われただけに、麓から金華山を見上げると岐阜城は点ぐらいにしか見えません。
こいつは登りがいがあるぜ!
 勢い勇んで、僕は金華山に車を突入させます。
 ……しかし、登れども登れども岐阜城は見えて来ず、とうとう山頂の見晴台に到着してしまいました。
 あれ、岐阜城って標識、道中どこにもなかったよな……?
 そんなことを考えながらも、せっかく来たんだからということで、僕らは岐阜の街並みを見下ろしてみました。
「見てみなさい、ジョイトイ君。あなたが守った街よ」
「あ? ……何のネタだよ」
 照れ隠しに繰り出したエヴァンゲリオンネタも、ジョイトイには通じず、僕は失望に刈られながら、山を降りることにしました。ちなみに山を下る最中も、岐阜城へ抜ける道は出てきませんでした。
「いったい岐阜城には、どうやって行ったらいいんでぇ……」
 そんなことを考えながら、金華山を下りてみると、そこには『岐阜城ロープウェイ』の看板がありました。
 ありゃ、これって、もしかして、ロープウェイを使ってしか、岐阜城には行けないパターン!?
 僕の予感は、いつしか確信に変わり、確信は真実へと変わりました。
 長良川沿いにある市営駐車場に車を停めた僕らは、チケットを購入し、ロープウェイに乗り込みました。
 次回は、3回目にして、早くも旅で1番の見所となる岐阜城に突入します。出し惜しみはしないよ。 (つづく)