美濃出兵(第3話)

 ロープウェイで楽々と移動し、僕らは、金華山の山頂付近に降り立ちました。そこから岐阜城のある山頂までは、様々な信長ゆかりの史跡および解説の立て札がありまして、さしずめ信長好きには、天国のような回廊となっていました。
 さらには信長の前に、稲葉山城(=岐阜城)を居城にしていた斉藤氏(私は蝮の道三と言われた斉藤道三も相当好きであります)の史料も、ある程度用意されていたので、これにはもう、相当テンションが上がった次第です。
「キャァー!」
 目を輝かせた僕と無双祭さんが、史料をガン見します。その様子を、ジョイトイが遠巻きに呆れた様子で見ていましたが、こんな聖地まで来て、彼に気を遣う必要は皆無と思えたので、ええ、ゆっくり、じっくり見てやりましたとも。
 それにつけても、この日はTHE・猛暑みたいな日で、その中を山登りしながら、史跡を見るものですから、汗が全身から吹き出しました。楽しい傍ら、もの凄い勢いで体力を消耗していた気がします。
 それでもハンカチで汗を拭きながら、山頂に到着すると、そこには岐阜城がそびえ立っておりました。もちろん、当時のものではなく、後世、観光客用に造られたものだと思われますので、およそスケールは実物の数分の1くらいなのでしょうけど、それでも雰囲気は味わえるので良かったと思います。中身は、どこにでもあるような肖像画や具足なんかが展示されていただけだけどね。
 岐阜城を出た僕らは、近くに設置されている別棟の資料館も見たあとで、来た道を引き返しました。
 ロープウェイまで戻ったところで、時刻は午後1時。朝が早かったせいか、だいぶ腹が減っていたので、本来なら岐阜 → 川魚料理が有名 → かと言って鯉とか鮎をそれほど食べたいわけでもない → だったら岐阜であんまりイメージないけど鰻でいいじゃん、みたいな連想で、僕らはお昼には鰻を食べようと思っていたのですが、ここはお腹を満たしたい欲求に駆られて、鰻を断念。
金華山山腹のレストランで昼食を取ることにしました。
豪快にも程があるおばちゃん店員に引きながらも、僕は味噌カツを注文。他の2人は何を食べたか忘れましたが(笑)、こういった山の中にある食堂にしては、味は悪くなかったかと思います。
長良川周辺に広がる岐阜の街並みを見下ろした景観も良かったですしね。
食後、本当ならロープウェイで山を下りる前に、『金華山リス村』に寄って行くつもりだったのですが、リスが休憩中だったので、敢えて寄らずに僕らは山を下りました。
ロープウェイを降りると、そこには信長グッズ販売店が!
今こそ、なけなしの金を叩いて、物品を購入するとき!
僕が鼻息を荒くしたところで、次回に続きます。 (つづく)