美濃出兵(第5話)

 博物館を出た僕らは、駐車場に戻り、車を発車させました。
「さて、これからどうするかね?」
 ハンドルを握りながら、僕はジョイトイ氏と無双祭氏に訊ねました。
僕らの旅は、メインとする観光スポットはあらかじめ決めていくのですが、それ以外は現地で持参したガイドブックを見て決めることが多いのです。
僕の問いかけにジョイトイが応えました。
「とりあえず岐阜駅まで行かないか。それでもって、どこか適当な駐車場に車を置いて、周辺の繁華街をブラブラするってのは、如何だろう?」
 ジョイトイもたまには、良い事を言うじゃねぇか。
見知らぬ土地を街ブラするのは、何となく情緒があって好きなので、僕は賛成。無双祭さんも異存なしとのことで、僕らは岐阜駅を目指しました。
 北口近くの駐車場に車を停めた僕らは、そこから北方向に歩いて行きました。するとアーケード街を発見。街ブラするのには、うってつけと思われたので、さっそく入ってみることに。
まず入ってすぐのところで、ダースベイダーの置物(等身大)があって、店頭でメリケンサック等、なかなかどうしての物を販売している店を発見。
「うーん、あのダースベイダー売ってくれないかなぁ……」
 年賀状の裏面の写真、それ着た僕にしたら面白いかなぁと思って、思わず呟いて見とれている僕を、
「はいはい。アレ、たぶん売り物じゃないから、さっさと行くよ」
 と、面倒臭い事態にならないうちにと、ジョイトイが早々に強制連行したのを皮切りに、僕らの街ブラは始まりました。
 しかし、最初こそインパクトがあったものの、その後は進めど進めど、どこにもあるような店ばかり。結局、アーケード街の中心にあった静岡にはない高島屋デパートを一回りし終えたところで、暑さも重なって、疲労感が漂い始めたので、近くにあったモスバーガーで軽食を取りながら、一息つくことにしました。
 岐阜のポテンシャルは、こんなものなのかい? (つづく)