小田原遠征(第3話)

 3月18日(土)、朝8時半。
 自宅を出発した僕は、ジョイトイと無双祭さんと合流したのち、R1を東へ。
 本来なら高速道路で大井松田まで行き、南下して、さもなく小田原に到着する予定だったのですが、清水ICの時点で、上り方面に渋滞が発生していたことが判明。急遽予定を変更することになりました。
「さすが3連休の初日。一筋縄ではいかないようだな。ここはひとつR1で箱根を越えて行くことにしよう」
 そんなわけで、そのまま一般道を進むことにしました。
 実は僕、いい年して一般道で箱根を越えたことがなかった(だいたい神奈川方面に行くには、高速を使ってしまうため)ので、初の箱根越えに戦々恐々としていたわけですが、まぁなんですか、浜松から長野に抜ける道に比べたら、整備もされていて、どうってことなかったです(笑)。
 箱根から小田原に抜ける最中、ジョイトイがすべり止めのために、道端に点在してある土嚢(白)を、残雪と勘違いして、
「ゲンさん、この車はスタッドレスタイヤだったっけ? え、違う!? 大丈夫なのか!?こんなところで滑った日には、1発でアウトだぞ! おい、チェーンは載せてあるんだろ?だったら、それを今すぐつけた方がいいんじゃ? え、やったことがないから、できないだって? つべこべいわずに、さっさとやってみるんだよ!」
 と、恐慌状態に陥った事件やら、小田原駅付近で、僕がひどい腹痛に襲われ、終始車内が無言になる事件などが起きましたが、僕らは無事(?)に小田原駅近くの駐車場にやって来ました。
 車を北口に停め、外に出てみると、もうすぐそこに住宅街が軒を連ねる感じ。
 こりゃ北口付近には、あまり期待ができないと察した僕らは、駅ビルから南口に向かいました。
 そこで時刻は12時前。混み合う前に、どこかで食事を済ませてしまおうと、僕らは昼が食堂、夜は居酒屋といった風情の店に入りました。
 相模湾の幸を主体にした海鮮料理がウリの店で、値段はそこそこ良かったですが、味や雰囲気は良くて楽しめました。
「さて、腹も膨れたところで、まずは小田原城を目指すことにしよう」
 食事を終えた僕らは、小田原城方面に向かって歩を進めました。 (つづく)