小田原遠征(第6話)

 勢い勇んで、ボートに乗ったものの、出発時点で悪戦苦闘の僕。
 すると見るに見兼ねた、あの男が僕らオールを奪い取ります。男の名は、ハルロー・オブ・ジョイトイ
「俺が代わるぜ!」
 この男に果たしてできるんですかねぇ?
 半信半疑で、操舵を任せたところ、これが以外にもセンスがあるようで、ある程度、運航を持ち直したので、さぁ大変。
 何が大変って? それはそれは、ジョイトイの鼻が天狗並みに高くなったことであります。
 あまりに上機嫌になってムカついたんで、彼のバッグを僕が湖面にかざして、映画『ジョーズ』で、ジョーズが近づいて来たときの音楽を、口ずさんでやりましたよ、
 どちらが最低の人間かは、皆様の判断にお任せします。
 ちなみに同じことを3回やったら、いささかキレられたので、その辺で勘弁してやりました。
 その後、なんとか沈没することなく遊覧を終えた僕らは、そうそうに船を返し、小田原駅方面へと向かいました。
 南口付近の商店街に来たところで、時刻は3時前。
 どうしようかと考えていた僕らの目に入ったのは、個人で経営しているような小さなゲームショップ。
 以前、当ブログで公開されていたように(最近でも同様の企画は実施されているのですが、記述に耐えないので、ブログでの公開はしていません)、僕らは昔のゲームを1日かけてやってしまうような、何とも危険なアラサー軍団ですので、さっそくゲームショップに入ってみました。
 するとこれが、(前フリが長かったわりに)大したことのない陳列ぶり。品数が多いわけでもなし、レトロゲームがあるわけでもなし、価格が安いわけでもなし。ただ比較的新しくソフトがおいてあるだけと、僕らベテランゲーマーが1番忌み嫌う構成だった次第で、ひどく失望させられました。
 なんだい、なんだい、小田原のゲームショップは、このざまかいッ! これだったら、よっぽどウチの近くにあるエー〇ーの方が、眼鏡に適う商品があるわい!
 僕らは、早々に店から退去しました。 (つづく)