小田原遠征(第7話)

 ゲーム店を出たところで、僕らは今後の行く先について相談します。
 すると、ジョイトイの口から、こんな発言がなされました。
「なぁ、俺、前に通っていて世話になった、空手の道場に顔を出したいんだが、行ってもいいか?」
「ああ、それは全然構わないが、俺や無双祭さんが一緒に行くわけにはいかねぇよな。――どうする、無双祭さん?」
「そうだね。じゃあ、ここいらで一旦解散して自由行動の時間にしようか。今がちょうど3時だから、4時に車を置いてある小田原駅の北口に集合ってことでどう?」
「それでいいんじゃないの」
「じゃあ、また後で」
 こうして僕らは散開しました。
 そういうわけで、今回のブログで、ここからジョイトイと無双祭さんが、どのような行動をとったのか、明かされることはありませんので、悪しからず。ここからは僕1人の動きを紹介しましょう。
 2人と分かれた僕は、小田原の商店街を練り歩くことにしました。
 まず目に入ったのは、パチンコ屋。僕は趣味でたしなむ程度(はい、そこ、笑わない!)、パチンコを打つのですが、神奈川のパチンコ店は、過激サービスで有名なので、1発勝負をしてみたい気持ちがありました。
 しかし、そこは自由時間1時間の悲しいところ。それだけの時間では、勝つのはもちろんのこと、元を取ることすら難しいので、旅費以外に無駄な出費は避けねばならんと、渋々パチンコは諦めました。
 パチンコが駄目なら、どうしようかと思って、街並みを見渡すと、そこには静岡では見かけないような魅力的なラーメン店が、ポツポツありました。
ですが、当時、ダイエットをしていた僕には、昼飯にせいせい飯を食ったにも関わらず、ここでおやつ代わりにラーメンを食うことなど考えられなかったので、ラーメン案も渋々諦めたのでした。
 結局、他にやりたいことが思いつかなかった僕は、街をブラブラした後、駅ビルの本屋で立ち読みして過ごすといった最悪の自由時間を過ごした次第です。
 やっぱり旅先では、若干意に添わずとも、思い切って何かすることが大切ですね。何もしないことが、最大のストレスになると再確認した瞬間でした。
 心を折られながらも、僕は4時前になったことを確認して、集合場所へと向かいました。この後、今以上に心をおられる事象が待ち受けているとも知らずに……。 (つづく)

* 次週、所用のためブログの更新をお休みしますので、ご承知おき下さい!!