デッドリードライブ 〜諏訪篇〜(第4話)

 長野旅行を控えた休日と休日の合間の5月7日。
 予期せぬアクシデントが発生しました。
 通勤途中のこと。横切った自転車を回避しようと、僕がハンドルを切ったところ、操作を誤り、電柱に車を擦ってしまったのです。
 ちっとくらいの傷ならば、まぁどうということはないのですが、これが結構な重傷で、乗り回すには、ためらわれるほどの損傷。動くには動くのですが、即日ドッグ入りとなってしまいました。
 とりあえず最上級の自動車保険に入っていたため、修理費は保険で見てくれるので、金銭的ダメージはなかったのですが、無双祭さんとの約束を果たせそうにないことが、心苦しくありました。
 なんせ、旅行実施約束 → 親知らずの痛みが発生、旅行延期依頼 → 親知らずの痛み沈下かつ手術延期による急遽の旅行依頼(勝手ばかり言ったので、俺が車を出すと約束) と、散々こっちの都合で、無双祭さんを振り回した挙句、ここに来て、車がドッグに入っちゃったので、俺が車を出すのが不可能になったと言わなければならないわけですから、『世界はてめぇ中心に回ってるんじゃねぇぞ、この下衆野郎ッ!』と揶揄されても仕方がない状況だったのです。
 しかし、企画は既に翌日に迫っていたので、ここはもう謝りつつも、無理を言うしかないと覚悟を決めて、車が出せなくなったので、そちらで車を出してもらうか、旅を延期してもらいたいと連絡をしたところ、無双祭さんからは、『俺が車を出すから、旅に行きましょう』との回答。
 クゥゥッ! こんなにも予定をポコポコ変えた俺に、怒ることすらせず、なおかつ負担の大きい運転係を買って出てくれるとはッ! あんた、男の中の男だぜッ! 俺の命、アンタに預けるぜ! ていうか、アンタに忠誠を誓うぜッ!
 こうして本当に色々なことがあったのですが、5月8日、僕は無双祭さんの駆る車にて、信州に美味い蕎麦を食う旅に出ることになったのです。
 いやはや、出発前夜までに4話を裂いた空前絶後の長さを誇るプロローグで始まった今作、いったいどうなる!? (つづく)