デッドリードライブ 〜天橋立篇〜(第2話)

 平成22年5月22日(土)、無双祭さんが時間通りに迎えに来てくれたので、僕は彼の車に乗り込み、一路、東名高速道路静岡ICへ。
 いつもは、高速道路は使わないのが信念である無双祭さん(ETCがないので、混み合う休日に、普通に料金を取られるのは馬鹿らしいとのこと)ですが、この日ばかりは、ある程度、早い段階で距離を稼がなければならないとの考えにより、高速を使ったのでした。これが如何に英断であったかは、物語を読み進めることにより、明らかになると思います。ていうか、高速を使わなかったら、とんでもない事態に陥っていたよ。
 静岡と愛知の県境で1回、名神に入り岐阜で1回、サービスエリアでの休憩を挟み、僕らは北陸自動車道を木之本ICまでやって来ました。
 ちなみに岐阜で立ち寄ったサービスエリアは、自販機とトイレしかない男らしい造りとなっていました。今どき、色々と施設があって当然のサービスエリアにあって、必要最低限の施設だけで成立していることに驚かされると同時に、昭和に戻ったような懐かしさがありましたね。
 木之本ICからは、琵琶湖の北岸をなぞるような形で、車を進めました。途中、道の駅があったので(相変わらず名前を覚えていなくて申し訳ない……)、僕らは立ち寄ってみることにしました。
 主に琵琶湖の産物を扱う道の駅だったのですが、僕と無双祭さんの眼鏡にかなったのは、『鴨そば』500円。腹が減っていたこともあったと思いますが、けっこう美味しかったです。腹が減っていなくても、鴨肉は美味しかったかな。つゆが関西風の透明なだし汁だったのも物珍しくて良かったです。
 鴨そばを食した僕らは、再び琵琶湖の北岸を西へと進みます。303号線を進んで行き、やがて琵琶湖の沿岸から福井県小浜市方面へと向かいます。オバマ大統領就任時、小浜市が便乗して歓喜に沸いているとニュースで見たことがあり、そのときは、きっと俺が小浜市に行くことなんてねぇよなぁー、なんて、冷ややかな目で見ていたんだけど、このタイミングで来ちゃったよ。
 と、ここでいつもの悪魔が僕を襲い始めました。
 いつもの悪魔、もうおなじみですね。睡魔です(笑)。
 まぁ、今回の旅は、寝ててもいいって言われたし……いやいや、そう言われても、俺はたった1人の同行者なのだ! 眠るわけにはいかな……グフッ!
 どっかで見た展開(笑)。
 再び僕の意識がはっきりしたときには、滋賀の山の中にいたはずが、福井の海岸沿いを走っていました。ふむ、きっと旅の扉ドラクエ参照のこと。ありていにいえばワープゾーン)にでも入ったのであろう。……本当に申し訳ありません。
 僕が眠りから覚め、意識がはっきりした頃、無双祭さんが操る車は、京都府舞鶴市に到着しました。 (つづく)