デッドリードライブ 〜天橋立篇〜(第5話)

 ハンカチも持っていなかったので、シャツの袖で汗を拭うこと、数十回。なんとか4キロの道のりを歩き切った僕らでしたが、例の『THIS is 天橋立』の風景には出会えず。
 対岸地点に至り、駐車場の係員のおっさんからもらったパンフレットを開いてみたところ、どうやらこの先1キロのところにある傘松公園というところが、例の風景のスポットである見込み。
「ここまで来たからには、傘松公園まで行こう」
 さしもの面倒臭がりの僕も、ここまで来たからにはとの思いがあったので、双方一致で傘松公園に向かうことに。
 道中、
「モーターボートで対岸まで如何ですか?」
 と、営業をかけられ、ああ、帰りはワープできる(歩かずに済む)んだと、心の安寧を得たところで、午後4時過ぎ、傘松公園の麓に到着。麓という書き方をしたのは、笠松公園山頂へは、ここからロープウェイかリフトで向かうためです。
 ロープウェイの出発までは、少し時間があったので、寸刻を惜しむ状況では得策ではないと考え、僕らはリフトで山頂へと向かうことに。
 チクショー、俺って、高所恐怖症だけにリフトだって怖いんだぜッ!
 息も絶え絶えになりながら、山頂に到着すると、そこには写真などよく見かける僕が最初に想像していたあの景色が広がっていました。あの股から覗くやつです。
 ファンタスティック!
 曇っていたせいか、言うほどではなかったかもしれませんが、目指していた景色だけに感動も一塩でした。
 しかし、それも束の間。あまり時間がない(一応、タイムリミットである5時までには駐車場に戻ろうとはしている)ため、とりあえず帰りのロープウェイ乗り場を確認しようと案内に従って向かったところ、既にリフトは止まっており、10分後に発車するロープウェイが直近で麓に向かえる交通手段の模様。
 とりあえず、まだ少し時間があるので、それまでは自由時間ということで、僕は土産などを買うなどして過ごしました。近場なら土産など一切買わない僕ですが、さすがにここまで来たら、少しは買う気になるのですよ(笑)。
 時間もなかったので、あまり選ぶ間もなく土産を購入し、ロープウェイに向かうと、程よく出発時刻になったので、僕らは麓へと向かいました。
 慌しかったですけど、一応、目指した景色が見ることができたので良かったと思います。現在の時刻は4時半。さて、続いての見所は、駐車場の制限時間内に戻れるか否か? 次回にご期待下さい。 (つづく)