デッドリードライブ 〜天橋立篇〜(第8話)

 岐阜の繁華街から、最寄りの高速インターとなる各務原ICを目指す僕ら。しかし、僕が痛恨の方向間違えナビをしてしまったがために、気が付いたときには、再び岐阜羽島ICへと向かってしまっていました。
 この深夜の体力がなくなってきた頃に痛恨のミス……ホントに申し訳ございません!
 しかし、引き返したり、各務原IC方面に向かっていると思われる道に行くのは、余計に迷う素になり兼ねません。ですからここは、急がば回れの理論に基づき、おとなしく岐阜羽島ICを目指すことにしました。
 その後、無事に岐阜羽島ICにたどり着いたのですが、時間を大きくロスしたため、時刻は既に1時過ぎ。空いている深夜とはいえ、清水までは3時間以上はかかる時間です。そして何より、無双祭さんの体力が尽きて来る時間でもあるので、ここは俺が存分に応援して眠気を遠ざけるように頑張らねば!
 そう思った矢先、名探偵コナンが推理のために俺を眠らせようと例の麻酔針を発射……したのかどうかはともかく、僕は猛烈な睡魔に襲われました。そして岐阜羽島ICから間もない一宮付近で眠りに落ちてしまいました。不甲斐ない結果になってしまったことを、本当にすまないと思う!
 すると、それからしばらくした後、車が停車したと思われたので、僕は目を開けました。
「ん? ここは?」
 僕の問いかけに、無双祭さんは虚ろな声で応えました。
「守山SA。すまないけど体力の限界。仮眠を取らせてもらうよ」
 そう言って、彼は椅子を倒し眠りにつきました。
 俺の応援が足りないばかりにスマン!
 悔やみつつも、無双祭さんが眠った以上、どうにかして時間を潰さなければいけない僕は、再び眠りにつくことにしました。外に出て、周りを歩いたり、コーヒーなぞを飲んできても良かったのだけど、深夜だけに自販機以外に目に付くものもなかったのでやめることにしたんだよ。
 こうして眠りについたはずの僕でしたが、これまで散々眠ってしまったせいか、ここに来て、深い眠りにつくことができず、30分ぐらいで目が覚めてしまいました。それからは眠ろうと努力するも、いよいよ眠ることができなくなってしまいました。
 目が覚めてから、15分くらい経過した頃でしょうか。すっかり疲弊し切った無双祭さんを横目に、僕はある覚悟を決めて声をかけました。
「無双祭さん、ちょっといいですか?」
 たぶん目は覚めていたのでしょう。無双祭さんは、すぐに返事をしました。
「なんだい?」
 僕は自らが考案したプランを述べるべく、口を開きます。 (つづく)