これじゃ本当の美食倶楽部(第1話)

 最近、ゲンと無双祭の2人で旅に出る企画が続くな。もしかしてゲンとジョイトイのやつ、大喧嘩でもしたんじゃねぇの?
 そんなことを考えているPCモニターの前のあなた。あなたの考えは間違っております。私とジョイトイは喧嘩もしていなければ、いがみ合ってもおりません。
 それなのに、ジョイトイの出場機会が減ったのはなぜか? 彼ほどの実力があれば、2軍落ちなどするはずがないのに。
答えは、最近、ジョイトイの趣向が変わってきたからであります。
「俺、朝のくそ早いうちから出かけて、深夜とか明け方に帰ってくるような企画は、ちょっとね」
 一丁前にそんなことを言い出すようになりました。
 そんなことを言われた日には、天橋立なぞはもっての外、諏訪も呼ぶのを躊躇われた次第です。
 しかしながら、彼ほどのポテンシャルを秘めた男を企画から遠ざけるのも、もったいない話。なんせ最近の企画は、旅企画がほとんどですからねぇ。
 そこで僕は、彼が積極的に参加したがるような企画を思案します。ですが、すぐにはそのような企画を思いつくことができずにいました。
 そんなある日、無双祭さんと食事をしたのち、ドライブをしていたときのこと。たまたま次のような話になりました。
「今度は美味い鰻でも食べたいね」
「それなら俺に当てがあるよ。浜松の方で、値段が4000円くらいして、1時間くらい待つけれどもね。味は保証するよ」
 さすが大学時代を浜松で過ごした無双祭さん。浜松の知識においては、僕らの仲間内で右に出るものがいません。
「あー、美味い鰻のためなら1時間は待てるし、たまにはそんな贅沢も悪くないね。ぜひ行きましょう」
 そんな約束をする傍らで、僕の頭の中では、ある閃きが生まれました。
 ジョイトイのヤツは、確か無類の鰻好きだったはず。鰻を餌に撒けば、企画に乗ってくるかもしれないな。浜松なら、そう距離もないから、早朝〜深夜枠にもならないだろうし。
 思い立ったところで、さっそくジョイトイにオファーを入れたところ、返事はもちろんオッケー。さすがだね、俺の読み!
 当然ながら、わざわざ浜松まで行くからには、ただただ鰻を食って終了では味気ないので、各自行きたい観光名所を1つ提示し、そこにも寄ることで話はまとまりました。
 小田原以来となる3人のプチ遠征にご期待下さい。 (つづく)