これじゃ本当の美食倶楽部(最終話)

 ジョイトイの活躍で、開店と同時に席に着けた僕らは、さっそく思い思いの品を注文します。最低金額の商品は、昼食をとった鰻屋と似た値段設定である2800円でしたが、ここは少し奮発して、僕は3300円の鰻重を選びました。
 昼飯を食べた店のように、すぐに出てきたら、如何なものかと思って待っていましたが、さすがに無双祭さんが薦めた店だけあって、そのようなことはなく、たっぷり40程経過して鰻が運ばれてきたので、ホッとしました。普通のファミレスとかなら、オーダーした物が早く運ばれて来るに越したことはないですけど、さすがに鰻が早く運ばれてくるのは、精神衛生上良くないですね。高い値段払って冷凍疑惑が拭えないから。
 オーダーから時間がかかったことに、まずは満足。続いて運ばれて来た鰻を食したところ、昼とは異なり、香ばしく焼きあがっていて、大変美味しく、さらに満足。さすが無双祭さんの薦めた店ですね。
 満足した僕らは、充実した気持ちで、車へと戻りました。そして浜松を出発。まずは東名浜松ICに向かい、そこから清水ICへ一挙に進軍。さらには無双祭さん宅、ジョイトイ宅へと2人を送り届けたのち、自宅へ向かい、およそ午後8時と、理想的な時間に全ての行程を終えました。
 日帰り企画にしては、少しお金を使い過ぎた気もしましたが、各参加者のニーズに応えられた上で、企画を成立させることができたので、良かったと思います。
 と、いつもなら、ここでブログを終えるところですが、今回の旅には後日談がございます。
 企画翌日。ジョイトイにご機嫌伺いの電話をして、僕が次のような話をしたところ、問題の発言がされたのです。以下、その一部始終です。
「いやー、昨日の晩飯に食った鰻は美味かったよな。さすがにあれだけの値段を取るだけのことはあるぜ。それに比べて昼飯の鰻は、酷かったな。あの値段で、あの味じゃ、ほとんど詐欺みたいなもんだ」
「本気でそう思ったのか?」
「ん? ……何が言いたいんだ?」
「確かに夕飯に食った鰻は、香ばしかったと思うが、昼飯に食った鰻の方が、なんかこう、ふっくらしているというか、親しみ易い味で、俺は夜の鰻より美味かった気がするんだよ」
「えーーッ!」
 僕が驚いたのは、言うまでもありません。
 それから話を聞いていくと、僕と無双祭さんが昼食後に、その味に対して、車の中で暴れているときに、彼が便乗しなかったのは、密かに美味しいと思っていたので、それを言い出したら面倒臭くなるから、黙っていたとのこと。……なるほどねぇ。
 まぁ味覚は、人それぞれだから、どちらの意見が正しくて、どちらかの意見が間違いということはないんだけど、さすがに昼飯と夕飯じゃあ、夕飯の方が圧倒的に美味かったと思うんですがねぇ。
 もし当ブログを読んでいる方で、僕らの鰻論争に参加したいと思った金と暇が余っている方は、ぜひとも個人的に連絡を下さい。文章の内容からして実名で、店名を挙げるわけにはいかないので、密かに詳しい場所等をお教えします。
 たくさんの有志の連絡をお待ちしています……って、誰もいねぇか(苦笑)。
 じゃあ、また、次の企画でお会いしましょう! (これじゃあ本当の美食倶楽部 完)


CAST


ゲン
ジョイトイ
無双祭


スタッフ


文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:中村あゆみ翼の折れたエンジェル
制作統括:ゲン