天下分け目の関ヶ原(第1話)

 浜松に鰻を食いに行ったセレブ企画、『これじゃ本当の美食倶楽部』から、およそ1ヵ月半が経過した平成22年10月初旬のこと。
 僕は無双祭さんに電話を入れました。10月9日から始まる3連休に、何かしらの企画をやろうとの提案のためです。
「無双祭さん、もし良ければ今度の3連休、またどっかに旅に出ませんか?」
「ああ、せっかくの3連休だし、ぜひ行きたいものだね。それでどこか候補地はあるのかい?」
「いや、それが全然。大概、静岡から手頃に行ける場所は、行きつくした感があるんで、これから思案といったところですわい。無双祭さんの方は、どっか行きたいところとかあります?」
「そうだねぇ。滋賀県の小谷かな。来年(2011年)の大河ドラマの主人公が、お江に決まったらしいんで(視聴率とれんのかよ!?)」
 ちなみにお江というのは、浅井長政(戦国時代に北近江を治めていた大名。小谷城が居城)と、お市織田信長の妹)との間にできた3人娘のうちの末っ子です。どんなことをした人かは、うんちくが長くなりそうなんで、大河ドラマを見て、各自確認をお願いします(知らないんじゃないんだからッ!)。ちなみにバリバリの戦国時代ものしか大河を見ない僕は、来年の大河は見ないと思います。
 横道に逸れたので、話を元に戻しましょう。
 無双祭さんの意見に、僕は次のような返事をしました。
「なるほど、大河が放送されて縁の地が混み合う前に、一足先に見学しちゃおうってわけですな。面白いですなぁ。行きましょう」
 僕も小谷の地名(戦国好きには、馴染みのある地名)を聞いたことがあっても、実際に行ったことはなかったので、興味を引かれて即座に決断しました。
「了承ありがとう。しかし、小谷とは言っても、城があるとは聞いたことがないから、たぶん城跡程度のものだと思う。そこだけをメインにして行くと、結構な火傷をするかもしれないよ。小谷まで来たのに、この有様か……みたいなね」
 小谷のポテンシャルを杞憂する無双祭さん。
 それを打破すべき名案が、僕には浮かびました。
 とりあえず、ちょっと盛り上がってきたので、ここで次回に続きます。 (つづく)