天下分け目の関ヶ原(第2話)

 小谷だけをメインに観光を企画すると、大変な目に遭うんじゃないかと危惧する無双祭さんに、僕は応えました。
「小谷って、琵琶湖の東側じゃないですか。だったら、小谷を見学した後で、岐阜との県境にある関ヶ原古戦場跡を見に行くってのは、どうですかい? 関ヶ原古戦場なら、相当に名が知れている場所なんで、ハズすってことも考え難いし、そこそこ観光名所もあるでしょうしね」
「ああ、それがいいね。じゃあ来週の土曜は、小谷経由で関ヶ原見学ってことにしよう」
「了解。ところで行くのは、我々2人のみ?」
「うーん、そうですなぁ。俺も大人数で行った方が楽しい気はするんだけど、メンバーを増やすとなると、史跡巡りがメインである以上、興味がない人に声をかけるのも悪い気がするんでね。そうなると、俺の仲間内で歴史に興味あるの男と言うと、あの男しかいないよ」
「あの男というと、ハルロー・オブ・ジョイトイさん?」
「うん、まぁね。ただあいつは、前から言っているように、バカみたいに朝早く出かけて、遠征するのを最近嫌うからねぇ。駄目もとで声を掛けてみるよ。3連休の初日ともなれば、あいつの気持ちも変わるかもしれないしね」
「わかったよ。じゃあ、また当日に」
 無双祭との対話を終えたところで、僕はジョイトイに連絡します。
「おい、ジョイトイよ。かくかくしかじかで、今度の土曜日に無双祭さんと旅に出るんだけど、もし良ければ一緒にどうだい?」
「そうだね。3連休の初日だし、たまには遠征も悪くはないからな。共に行こう」
 あれ、結構な説得をしないと一緒に来ないと思ったのに、こちらが驚いてしまうくらい、ジョイトイはあっさりと了解しました。
 なんだか不気味だのぅ。まぁいいけど。
 こうして久しぶりに、ゲン、ジョイトイ、無双祭の3人で、歴史探訪遠征に出ることになりました。
 ちょっと短いですけど、切りがいいので、ここら辺で終わります。 (つづく)