美食倶楽部グルメツアー(第9話)

 極楽苑を出発した僕らは、西伊豆へ向かうべく、中伊豆を西進します。
 すると、どうしたことでしょう。数キロ程進んだだけにも関わらず、極楽苑では、路面を濡らす程度にしか降っていなかった雪が、積もっているじゃありませんか。しかも、風もあるようで、雪がフロントガラスに吹き付けて、視界もかなり悪い相当なバッド・コンディションです。
 こうなってくると心配なのは、スリップによる事故。当然ながら、静岡人の僕の車はスタッドレス・タイヤなど装着しておらず、チェーンも搭載しているか否かもわからないといった有様。まぁ、あったところで、撒き方がわからないんだけどね★。
 ここに至り、さすがに命の危険性を孕んできたので、僕は再度、メンバーに通知します。
「あのー、言いだしっぺの俺が言うのもなんだけど、これじゃさすがに山を越えられそうにないから、Uターンしてもいい?」
 返答は、もちろんオッケーとのこと。そりゃそうだよね。男4人で伊豆の山で死にたくないものね。
 こうして、僕は適当なスペースでUターンをして、もと来た道を引き返すことになりました。
 山の中で標高が高いための雪じゃなくて、ちょうどこの時間帯から、純粋に伊豆全域で降り出していた雪だとしたら、どうしたものか。まさかの1泊コースかと、最悪の結果(まぁ楽しいかもしれないけど、金銭的にキツイ)も想像しましたが、さすがに平野部に戻って来たらやんでいたので、ちょっと安心。しかし、天候状態からして、いつ伊豆に雪が降ってもおかしくないので、とりあえず僕らは伊豆の観光は諦めて、早々に沼津へ向かうことにしました。
 その後、1時間ほどかけて、僕らは沼津へとやって来ました。このときの時刻は、午後4時前。まだかなり夕飯には早い時間です。
 何かして時間を潰す必要に迫られたわけですが、ここでジョイトイから耳寄りな情報が提供されました。
「沼津の駅前に、けっこう長いアーケード街があって、そこそこ色んな店があって面白いぞ」
 当ブログのヘビーユーザーの方なら、よくご存知かと思いますが、僕らは地方都市の商店街を闊歩するのが大好きなのです。
 時間も余っていることですし、こいつはもうこれしかないでしょう。
 僕がジョイトイの言っている商店街での時間潰しを提案したところ、満場一致で可決されたので、僕は駅前の適当なコインパーキングに車を停めました。
 車を停めたところで、僕は言いました。
「今から午後5時までを、自由時間とする!」
 みんなで団体行動でもいいんだけど、自分の見たいところを見るには、これに限りますよね。気を遣わなくて済むから。商店街の様子は、また次回にて! (つづく)