金沢奇行(第6話)

 後の世に言う『鰤と鯖事件』での一悶着のあと、僕らは車を停めた県営駐車場の向かいにある石川県観光物産館を見学します。
 みなそれぞれ気ままに土産を物色する中、僕も先程の土産物屋の並びで、けっこうな量の土産を購入したにも関わらず、夜半にお腹が空いたときように……などと邪な考えが頭をよぎり、近江市場(金沢市街にある有名な市場)産の押し寿司などを購入。結局、この押し寿司は、夜の間、車に入れたままホテルの立体駐車場に封印されてしまい(笑)、腹を減らした僕は、ホテル近くのサンクスでカレーパンを購入したわけですが、まぁそれはそれで。
 ひととおりの買い物を終えた僕らは、車に戻り、ホテルに向かって出発しようと思ったわけですが、予約したのが最近できたばかりのホテルのようで、5年前に購入した僕の車のナビでは表示がされません。とりあえず金沢駅近くにあるのは覚えていたので、駅を目指してみると、労せず発見することができました。やるな、俺。
 ホテルの立体駐車場に車をおき、チェックインを済ませた僕ら。とりあえず僕の部屋に集合して、僕が美食倶楽部で宿泊行事をするときの恒例行事となっております『ジョイトイ・腕ひしぎ十字固めの儀』(退魔効果がある)を終えたところで、今後の身の振り方を考えます。
「さて、これからどうするかだけれども……」
 さっさと飯を食って自由時間に突入してしまっても良いのですが、このときの時刻は午後5時半。さすがに夕飯には早いので、話し合いの結果、このあと1時間を自由時間とし、その後、各自の部屋の前で待ち合わせして、夕飯を食べに行くことになりました。
 1人になったところで、僕は身の振り方を考えます。
 ここはビジネスホテルながらも温泉があるので、ひとっ風呂浴びようか? いやいや、これからまた出かけて汗をかくから、後で入った方がいいか。そうかといって、出かけても1時間後に、ここに戻ってくるのも面倒臭ぇしな。……運転で疲れたし、時間までゴロ寝だな。
 結局、金沢まで来て、普通にテレビを見ながら1時間をふいに過ごしてしまった次第です。反省。
 ちょうど時間が来たところで、僕が部屋から出ると、間もなくジョイトイ・無双祭さんも部屋から出て来ました。
 合流した僕らは、夕飯を食べるべく、ホテルを出ました。
 次回、ジョイトイの金沢奇行が始まります。 (つづく)