デッドリードライブ 〜飯田篇〜(第2話)

 会社で休暇の承諾を得た僕は、業務終了後、頃合を見計らって無双祭さんに電話をしました。
 急ではありますが、今週末の土日で1泊2日の旅行に行かないかと誘ったところ、無双祭さんからは次のような回答が。
「せっかく誘ってもらったのに悪いんだけど、日曜日は朝から町内会の行事に参加しなければならないから、泊まりは無理だな。ただ日帰りでも良ければ、土曜は予定を空けておくよ」
 なるほど、土曜日だけならオーケーか。しかしながら、1泊でと言ってジョイトイと約束してしまった以上は、どうにもならないかなぁ。
 そんなことを考えていると、無双祭さんの方から、
「まぁ当初の話で、1泊路線が硬いなら、今回、あっしはどうにもならないけれども、だとしたら、どうか気兼ねせずに2人で行ってきて下さい」
 との気を遣った上での、優しいお言葉。
 僕も休みを取った以上は、1泊したかったので、ここは無双祭さんの言葉に甘えることにしました。
「そう言ってもらえると助かります。もしも、ジョイトイとの話し合いの結果、無双祭さんも上手く乗っかれる企画になったら、そのときはまた声をかけさせてもらいますんで」
 そう言って、僕は無双祭さんとの通話を終えました。
 その後、いくつかの旅先候補地を検討した上で、僕はジョイトイに電話をしました。
「おい、ジョイトイよ。無事に休みが取れたぞ。これで1泊2日旅行が確定だな。無双祭さんは町内会の予定があって、泊まり旅行には行けないとのだが、この際、2人で行ってやろうじゃないか。で、行き先だが……」
 僕が言いかけたところで、ジョイトイから驚愕の一言が発せられました。
「ふーん、無双祭さんが行けないんなら、1泊はしなくてもいいな。男2人で泊まって、そっち(ホモ)と思われても嫌だからよぉ」
 ……はい? 1週間休みだから何か企画がやりたいと言って、俺に(貴重な)夏休みを使わせたにも関わらず、その後で、どうしてそうも簡単に当初の案を覆すことができるのですか? 空はなぜ蒼いのですか? 鳥はなぜ飛ぶのですか?
 僕ガ9連休クソ野郎ニ対シテ殺意ガ芽生エタノハ、コノトキデシタ。 (つづく)


* 都合により来週から2週ほどブログの更新を致しません。11月下旬より更新を再開したいと思いますので、ご承知 おき願います。