デッドリードライブ 〜飯田篇〜(第3話)

 * 2週ほどお休みさせて頂きましたが、今週より再開していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。


 僕の夏期休暇取得後、ジョイトイの気まぐれにより、まさかの1泊2日旅行の廃案が提出されました。
 もちろん、僕が食い下がったのは言うまでもありません。
「おいおい! おめぇが何かしようと言ったから、俺はわざわざ休みを取ったんだぜ。それを気まぐれで撤回するのか!?」
「俺は無双祭さんと3人での1泊旅行なら良いって言ったんだよ! おめぇが勝手に早合点して、休みを取ったのを俺のせいにするな!」
 ウッキー! 今度、こいつのチャリのカゴにウ〇コしといてやる!
 ジョイトイの気まぐれを正当化するかのような物言い(実際に当初の約束では、彼の口から3人以上参加ができる場合のみ、1泊旅行を実施するとの断りは一切なかった)に、怒りは沸点に達するものの、僕は冷静を保って、この悪魔に取り付かれた男との交渉を進めます。
「わかりました。もはや2人で1泊しようとは申しますまい。しかし! 俺は貴重な夏休みを取った以上、どこかに泊まらねば気が済まぬ!」
「どういうことだ?」
「1人でも泊まると言うことだ! 地方都市を楽しむのだ」
「……2人で電車を使って、どこか行くと言うのか?」
「否! 俺に考えがある。無双祭さんは、土曜日だけなら企画に参加できるとのことだった。彼が承諾すればの話だが、彼に車を出してもらい、どこかに遊びに行く。そして、その帰りに俺だけ、どこかの地方都市においていってもらうんだ。そうすれば、俺は1泊できて、おめぇと無双祭さんは、日帰りで遊べる。全員の希望を合致させるには、これしかあるまい」
 僕の意見を聞くと、ジョイトイは帰りの車中が男2人で寂しいからヤダなどと、女の腐ったのみたいなことを言っていましたが、そこまで彼のワガママには付き合い兼ねるので、そこら辺は徹底無視した上で、僕は無理矢理、ジョイトイに上記の折衷案を飲み込ませました。
 そしてその上で、僕は彼に告げました。
「ただこっちの都合で、無双祭さんに車を出してもらう以上は、彼の行きたい場所に行かなければ話がおかしくなる。彼の希望を幾つか挙げてもらい、その中から俺達が選択させてもらうような格好を取るから、そのつもりでいるように」
 そう言って、僕は再度無双祭さんと連絡を取るべく、ジョイトイとの通話を打ち切りました。
 旅に出るまで、まだまだかかるよ。 (つづく)