デッドリードライブ 〜飯田篇〜(第14話)

 もはやいちいち説明すらいらないであろう有名チェーン店『餃子の王将』は、どういうわけか静岡市内には存在しないので、僕はこれまで行ったことがありません。それゆえに店に向かう道中、僕のテンションは結構上がっていました。
 店内に入店し、僕は浜松セット(餃子、こってりラーメン、ミニチャーハン)を、無双祭さんは、マーボー定食とエビのマヨネーズ揚げを注文。
 感想は、こってりラーメンは自分好みで○、チャーハンも美味しくて○、餃子は他所にもっと美味いヤツがある気がしたので▲、と評価させてもらいましょう。『餃子の王将』なのに、餃子の評価が低いなんて……との気もしますが、なんせ安いんで、そこは目を瞑っていいと思います。
 ちなみに無双祭さんが、自分のお気に入りでもあるエビのマヨネーズ揚げを、僕に薦めてくれ、そちらも頂いたのですが、濃厚な味でご飯のお供に最高だと思いました。
 しかし、僕には気になることが。あの大食漢の無双祭さんが、1人前+1品料理しか食べないとは、どうしたことでしょう。ていうか、僕のオーダーは、1000円切る額とはいえ、2人前弱ぐらいありそうで、これじゃ大食いキャラの代名詞が無双祭さんから、僕に移ってしまうじゃありませんか。……などと考えていた折、無双祭さんが手元のボタンを勢いよく叩き、店員を呼びつけて言いました。
天津飯、単品、追加ァァッッ!」
 おお、それでこそ無双祭さんだ! 全米を震撼させたThe・無双祭の復活じゃぁぁっっ!
 が、しかし、天津飯が運ばれて来る間に、満腹中枢は刺激をされ続けていたのでしょう。あと1歩のところまで天津飯を追い詰めたものの、十数分後、無双祭さんは無念のリタイア。
 たぶん帰りの運転さえ考えず、リミッターを外して戦えば食いきれたはずなので、たいへん惜しい結果となりました。しかし、家に帰るまでが遠足なので、これもまたやむを得なしと言ったところでしょうか。
 さて、僕がデビューした『餃子の王将』ですが、ぜひ機会があればまた行きたいと思いました。餃子はともかく(笑)、チャーハンやラーメン、エビのマヨネーズ揚げは美味しい上にリーズナブルで、中華料理屋としてレベルが高かったと思います。ホント、静岡にできればいいんだけど、なんでできないんでしょうかね。近々できれば良いと思います。
 腹が満たされたところで、僕らは静岡に向かい走り出しました。 (つづく)