デッドリードライブ 〜飯田篇〜(第15話)
餃子の王将を出た僕らは、国1バイパスを目指します。
無双祭さんは、先程立ち寄った餃子の王将に、けっこう通い詰めているようで、迷うことなくすいすいとバイパスに向かっていきました。
バイパスに乗ると、時間が遅いせいもあってか珍しく空いていました。反対車線は、かなり混んでいたのでラッキーでした。
しかしながら、周囲に代わり映えがなく、単調な運転が続くバイパス。しかも満腹あっては、眠くなるなという方が無理な話。
相当な距離、奮闘した無双祭さんでしたが、藤枝に到達したくらいで、車が左右にぶれるようになりました。これはもはや限界かと思っていると、彼の口から僕にこんな通達がなされました。
「すまない、ゲン君。次の道の駅『宇津ノ谷峠』で、5分でいいから休ませてくれ」
そんな申し出に、朝夕問わずに助手席で爆睡していた僕がNOと言える動機がありません。
「わかりました。5分と言わず、10分くらいグッスリ眠って下さい」
「ありがとう。そのぐらい眠れば、たぶん家に戻るぐらいの集中力は回復すると思う」
その後、無事に道の駅『宇津ノ谷峠』に到着したところで、無双祭さんにゆっくり休んでもらうため、僕は1人で車外に出て行きました。
しかし、夜9時過ぎの道の駅とあっては、上手に時間を潰す方法が見つかるはずもありません。
僕は大好きなリアルゴールドを購入し、それを片手に道の駅各所に配置された観光客用の看板を見て回りました。え、感想ですか? デカイ蛾がところどころにいて気持ち悪かったぐらいかな(苦笑)。
そんなわけで10分経過したところで、逃げ込むように無双祭さんの車へ退散。すると無双祭も約束どおりに復活してくれたので、僕らは道の駅を去ることにしました。
その後、ドライブは順調に進み、およそ午後10時。僕は家の近くで車を下ろしてもらい、今回の企画は終了となりました。
感想としては、まぁ書いたとおりなんですけど、貧乏神神社にボロクソにやられたのを、天竜峡の川下りと『餃子の王将』が救ってくれた企画だったと言えるでしょうか。
また男2人で、こんな気ままな旅に出れたら良いと思います。
……と、本来ならこれで話を締めるのですが、今回に限っては、おまけでもうちょっと続きます。 (つづく)