埼玉遠征(第5話)

 行田市忍城をあとにした僕らは、川越市へと向かいます。
 行田と川越は、そう遠い距離ではないようで、ナビに沿って30分くらい国道なり県道を南下したら到着しました。
 市役所近くにある『本丸御殿』なる観光スポットの駐車場に車を停めたところ、『本丸御殿』を見学すれば駐車料金を取らないということなので、僕らは『本丸御殿』を見学することに。
 どうせ後で寄ると思われるので、博物館とセットになっているチケットを購入し、中へと侵入。受付の方が親切で、本丸御殿の史料だけでなく、周辺マップもくれたばかりか、
「少し歩くけれど、ここに車をおいて、徒歩で周辺の観光をしてきたらいいですよ」
 などと、言ってくれました。いやはや、川越の人は温かい。
 駐車料の心配がなくなったことで、僕は機嫌を良くして、『本丸御殿』の見学を開始しました。
『本丸御殿』というのは、江戸時代の屋敷を手入れしつつ、現代に残した建物とのこと。日本で現存する同じような建物は、極めて稀だそうです。なるほど、どおりで底冷えするわけだ(笑)。それでもまぁ、僕は体温が高いせいか(デブだから)、そこまででもなかったのですが、同行していたジョイトイおよび無双祭さんは、寒くて仕方がないとのことでした。南無三。
 その後、床の間から畳の間に上がり、足の冷たさには一息ついたものの、畳に上がると柔道家の血が騒ぐ僕が、足払いを繰り出したところ、思いのほか、ジョイトイに上手く決まり、彼が大転倒したのは、ここだけの話です。はい、歴史的な建築物でふざけてすみません。猛省しております。
 その後、日のあたる縁側で、さも爺になったかのようなジョイトイの写真を撮るなどしてから、僕らは『本丸御殿』をあとにしました。むぅ、写真を載せないと面白さが半減するのが、残念です。
 『本丸御殿』を出た僕らは、先程、受付で頂いたマップを片手に、『蔵造りの街並み』を見学することにしました。
西に歩くこと15分。『蔵造りの街並み』が見えてきました。端的にいえば、古風な造りの商店街といったところでしょうか。着いたと見るや、僕は言いました。
「どうやらここが、そうみたいですね。とりあえず昼時ですから、まずは昼食にしましょうか」
 僕の提案に、残る2人も承諾。
 さて、川越で、どれだけ美味しいものを頂けるのでありましょうや!? (つづく)