埼玉遠征(第6話)

 僕らの旅では、不平不満が出ないようにするべく、最初からどこで食事を取るかを決めていない限り、ジャンケンで勝った人が、食事する店を決める権利が与えられ、他の者達は勝者に文句なく絶対従わねばならないといった方式が採用されています。
 この日も、特別に食事をする店を決めていたわけではなかったので、ジャンケンをした結果、無双祭さんが勝利。彼の意思で店を決めることにしました。
 無双祭さんが決断したのは、キレイぼったい和食の店。お値段はどれも1000円前後と、やや高めですが、まぁ旅先でとる食事としたら、お手軽といえる値段ではないでしょうか。
 僕は、つけ冷うどん的なものを、ジョイトイと無双祭さんは、焼きそば定食的なものを頼んでいた気がします……というのは、旅をしてから執筆をするまで、ちょっとばかり時間が空いた関係で、よく覚えてないんですよ(苦笑)。てやんでぇい!
 味の方は、なかなか美味しいと思ったのですが、僕の食べた『つけうどん』みたいのが、果たして川越の名物か否かは神のみぞ知るといったところでしょう。うーん、もうちょっと念入りに下調べをしてから行けば良かった。
 食事を終えた僕らは、『蔵造り博物館』(ウロ覚え)とやらに足を運んだのですが、こういってはあれですが、ここはそんなに見所はなく、井戸を見つけたジョイトイが、某貞子のマネをして、周囲の空気を絶対零度にしてくれたぐらいで見学終了。
 ここで僕らは、旅の恒例である自由時間をとることにしました。時刻は12時30分といったところです。
 3時に集合を唱える僕に対し、1時00分集合を唱えるジョイトイ。……ここまで来ておいて、自由時間が30分てこたぁねぇだろうと、はからずもジョイトイを始末しようかとも思う僕でしたが、不穏な空気をいち早く察した優しい無双祭さんが仲裁に入った結果、1時30分に博物館に集合ということに。
 まぁ、致し方あるまいな。
 気を取り直して僕は1人で商店街を見て周ることに。
 歩き始めてすぐに、老舗っぽい鰹節屋が香ばしい匂いを放ち、焼きおにぎりを販売しているのを発見。あまり美味そうに見えたので、すかさず購入し、さっそく食べてみると、これがばか美味!
 1個200円と値段も良かったのですが、これならちっとも惜しくないと思いました。今度、川越に来る機会があったら、昼飯はここで焼きおにぎりを5個食おうと心に誓いましたね。当ブログの読者の皆さんも川越に行く機会があったら、ぜひ試してみて下さい。具体的な場所を明記せずとも、蔵造りの街並み商店街を歩いていりゃ、きっとここかってわかるよ。 (つづく)