地獄少年(第3話)

「俺も『懐かしのラーメン&バー』に行きたかった」
と、念仏のように繰り返すジョイトイ
 約束の日に、仕事とはいえ時間を調整できずに欠席した方が悪いと言い切ってしまえば、それまでなのですが、3週間休みなしで、朝から深夜まで働いている彼への同情もあり、とうとう僕は根負けし、つい言ってしまいました。
「今週末は、休めそうなんだろう? だったら俺が、こないだと同じコースでお前さんに付き合ってやるぜ」
 個人的には、もう1度、懐かしの中華飯店が本物か偽者かを見極めたかったので、その機会がだいぶ早くなったものと認識しました。
 願ったり叶ったりだったのでしょう。僕の提案にジョイトイが渋ることは、もちろんありませんでした。
 こうして中6日で、僕は同じ企画に参戦することになったのです。ちなみに声をかけるメンバーは、ジョイトイに任せるけれども、2週連続で同じ企画に呼びつけるのは、もはや罰ゲームではないかとの思いから、NOVさん、無双祭さんには声をかけないように厳命しました。
 こうして向かえた当日。待ち合わせの場所に現れたのは、ジョイトイ1人。訊ねてみると、
「数名を誘ってみたものの、断られたから今日は俺達2人になる」
 とのこと。
 是非もなし、と言ったところでしょうか。
 こうして僕らは、1週間前の再現をするかのごとく、まずは某中華飯店へと向かいました。
 この日の食後の感想は、やはり僕の好みに合うと言うこと。
 ジョイトイは、
「味は悪くないが、コストパフォーマンスの面からすると、通いたくなるほどじゃないな」
 との意見。……もうこれからは、誰も誘うわずに1人寂しく、この店に行きたいと思います(苦笑)。
 食事を終えた僕らは、企画のとおりバーへと向かいました。
 そのバーが地獄絵図と化そうとは、このときの僕には、想像すらできませんでした。 (つづく)