魁! 無双祭塾!(第7話)

 お店の一押し『タラ汁定食』を平らげた僕と無双祭さんは、清算を終えて店外に出ます。
 そこでは自然と先程食した食事の話になります。
 まず口火を切ったのは僕。
「俺の個人的な感想だけど、タラ汁は、汁はダシが利いて美味かったけど、骨の多いタラがぶつ切りで入っていて、食うのが大変だったんで、それが難点かな。俺が贅沢なだけかもしれないけどさ。反面、小鉢に入っていた刺身は文句なしで美味かったと思う」
「こっちも、まったく同じ感想だよ。これなら刺身定食にしとけば良かったね」
 おっしゃるとおり。
 でも当たり外れがあるからこそ、旅先での食事は楽しいんだよ、きっと。……などと、利いた風な口を利いてみました。
 食堂から出た僕らは、せっかく日本海まで来たので、海岸に佇むことにしました。あ、書き忘れていましたが、僕らのいる『親不知ピアパーク』は、日本海の目と鼻の先にあるんです。
 波打ち際に来てみたものの、オッサン2人ではすることはありません。僕が石を2、3日本海に向かって遠投したぐらいで、見せ場なく退散することに。   
 思えば7年に日本海へと訪れたときには、当時ブレイクしていたHGの真似事を披露したわけですが、僕の思考が今でも25歳のままだったら、今回は今をときめくAKBを真似て、波打ち際でビキニを着てサマーソングを歌って踊ったりしたんでしょうね。7年の年月は確かに人を成長させていたのです。ていうか、実際にそれをやりよったら、先程お世話になり損なった新潟県警のお世話になるんですけどね(苦笑)。
 その後、海に突き出している埋立地に行くつもりだったのですが、敢え無く立ち入り禁止だった(実際には、立ち入っている人がいたのですが、僕らのいる所からは、行くのが困難であった)ため、これにて『親不知ピアパーク』を後にし、いよいよ上越に向かうことに。
 上越に向かうにあたり、風情を味わいながら一般道で行くか、少しでも多くの観光時間を確保するため高速道路で行くかを話し合った結果、高速道路を選択。
 往路と同様、復路も快調そのもの。僕らは午後1時過ぎに、上越市内へと舞い戻りました。
 上越ICを出た僕らが、まず目指したのは、春日山城跡。
 僕自身は、7年前の企画で訪れた観光スポットですが、果たして何か変わっているのでしょうか?
 次回へ続きます。 (つづく)