魁! 無双祭塾!(第8話)

 7年前にも訪れた春日山城跡にやって来た僕ら。
 ご存知の方も多いでしょうが春日山は、かの有名な戦国大名上杉謙信が居城を構えていた戦国ファンには堪らない場所です。既に城は存在せず跡地ではありますが、上杉謙信もここから街を眺めていたのかと思いを馳せつつ、本丸跡地から上越市街を眺めるとゾックゾクするじゃないですか。はい、同意は求めません(笑)。
 とはいえ、春日山と言うだけあって、堅固な山城であった春日山城の本丸へは、山登りをする必要があります。前に来たこともあったので、覚悟はできていたんですけどね。
 まず7年前には立ち寄らなかった謙信を祭った神社に参拝した後、僕らは本丸へと向かいます。すると以前は、近くまで行くことができた謙信公の像に通じる通路に立ち入り禁止の立て札が。タイガーマスクを被った僕が、謙信公と並んで写真を撮った(タイトル『駿河の虎と越後の龍』)せいで、立ち入り禁止となったのか!? だとしたら申し訳が立たぬ。
 気を取り直して、本丸跡を目指すべく、無双祭さんと歩いていると、土産物屋のおばさんが、山の地図を持っているかと声をかけてくれました。
 僕も無双祭さんも、以前に来た経験があり、迷うレベルの山でないとわかっていたので、
「いらぬ!」
 と、丁重にお断りしたのですが、以前はこんなサービスはなかったな。きっと、2005年の後『風林火山』や『天地人』で、上杉家が取り上げられて以来、観光客が増えたんで、それに呼応して、サービスも良くなっていったんでしょうな。感心、感心。
 感心しつつも、山歩きを始めると、間もなく襲い掛かる日差しと坂道。そして発生する大量の汗。
 豪雪地帯とはいえ、9月末の上越は静岡と同様の暑さで、僕のような運動不足気味のデブには、如何ともし難い事態でした。
 上半身裸になって歩きたい衝動に駆られつつも、そこそこいる他の観光客の目もあるため、そうするわけにもいかず、結局、春日山の最高峰である本丸跡に着いた頃には、来ていたポロシャツが汗でグッショリになり、使い物にならなくなっていました。
 クソッ、着替えも持ってないし、これじゃ下の土産物屋で、替えのTシャツを買わざるを得ないじゃないか! まったく上手いこと、商売しやがるぜ!
 以前の経験から、こうなることはわかりそうなものなのに着替えを持ってこなかったのは、7年前に登ったのが冬で、そんなに汗をかかなかったから。
 無駄な出費に歯噛みしつつ、次回に続きます。 (つづく)