魁! 無双祭塾!(第12話)

 駐車場まで戻り、土産物屋で購入したTシャツに着替えを終えたところで、僕らは次なる目的地へと向かいました。
 次なる目的地は『林泉寺』。なんだ寺かよと侮るなかれ。ここは由緒正しき寺なのでございます。
なぜかと言えば、兄が居て家督相続をする予定のなかった上杉謙信公が、幼少の頃に預けられた寺だからです。これは戦国ファンとしては見ておくべきでしょう。
 林泉寺春日山城のすぐ近くにあり、車にて数分で到着しました。
 数百円の拝観料を払って寺内へ向かったところで、後に無双祭さんが、
「これはブログのネタになるね」
 と言った事件が起こりました。
 名づけて、『ヤマグチ・ハル』事件。
 この無双祭さん公認のブログネタ事件を、さっそく紹介しましょう。
 林泉寺には立派な門があり、そこに漢字3文字が書かれた看板が貼り付けられていました。
 それを読んだ無双祭さんが思わず、
「ヤマグチハル?」
 と、声に出したのです。
 まさかそんなどっかの婆さんの名前みたいのを、わざわざ寺の門に書くわけないと思い、僕も看板に目をやると、確かに『ヤマグチハル』と読めないこともないのです。
 むむむ? そんな馬鹿な。
 そう思って看板をじっと眺めたところで、僕には真相が見えました。
 この不思議な事件。読者のみなさんは、謎が解けたでしょうか? 以下、解答です。
 看板には『春日山』と書いてあったのですが、昔の看板であるため、現代とは逆方向から、『山日春』と書いてありました。さらには、真ん中の『日』の字を崩して書いてあったため、『口』と読めないこともなかったのです。
 結果、現代的に読んだところ『ヤマグチ・ハル』となったってわけです。
 いやー、旅の記録ばかりでなく、推理までも提供できるなんて、当ブログの懐の深さと言ったらないですね(笑)。
 謎が解けたところで、すっきりした僕と無双祭さんは、林泉寺内へと歩を進めて行きました。 (つづく)