魁! 無双祭塾!(第15話)

 高田駅付近にやって来たものの、適当な駐車場を見つけられないまま、どんどん駅から遠ざかる僕ら。
 さすがの僕も、これには焦ります。
「クソッ! これじゃあ、かなり歩かないと駅まで着かねぇぜ」
 すると、無双祭さんが言いました。
「どうしても駅に行きたいなら、それでいいんだけど、そうでないなら、この先に高田城跡があるから、今回はそっちでいいんじゃない?」
 むっ、高田城跡と言えば、行く前にネットで調べたときにも、風光明媚なスポットとして紹介されていたし、さっきの足軽さん(前回のブログで高田を勧めてくれた人)からもらった観光マップにもデカデカと載っているし、かなりの観光名所のはず。わざわざ何があるかも知れない駅前に行くより、そっちの方が堅い観光スポットからもしれねぇな……。
 人生において、発想の転換は大事です。
「よし、じゃあ高田城跡に向かいましょう」
 えっ? 駅前にある雁木造りの建築物は見なくていいのかって? も、もらった資料で見ることとする!
 高田城跡に行く最中、入りやすいところにガソリンスタンドがあったので立ち寄ることに。
 補給しなくても、ギリギリ持ちそうな気もしたんですが、帰りに52号線でガス欠でも起こした日には目も当てられないので、ここは早めの補給を行った次第です。最近、セルフのスタンドばかり行くので、たまに窓を拭いてもらったり、車内のゴミを捨ててもらったりするのが、とても新鮮でした。
 ガソリン補給後、程なくして高田城跡に到着。市民の憩いの場のようで、駐車場代もタダの模様。地方都市は、こういうところがいいよね♪。
 車を降りた僕らがまず目にしたのは、広大な池に浮かぶ無数の蓮の花。そこにかけられた朱色の橋。見事なコントラストでした。
 すっかりテンションが上がったので、橋の隅っこで奥義の三点倒立を炸裂させようかとも思ったのですが、実行に移せず断念。この思い切りのなさは、おそらく年のせいに他なりません。
 その後、高田城跡をゆっくり散歩。時刻が5時近かったので、本丸跡に建てられた有料の櫓こそ閉まっていて見学できませんでしたが、雰囲気の良い公園をじっくり歩いたのは、とても気分の良いものでした。
 パチンコで、お座り一発で確変を引いたぐらいの気持ち良さが、ここにはある! ……はい、ゲスな例えしかできなくてすみません。
 すっかり散歩を満喫した僕らは、車へと戻りました。 (つづく)