魁! 無双祭塾!(第16話)

 車に戻ったところで、時刻は5時過ぎ。
 そろそろ観光スポットも閉まる時間ですし、復路の距離を考えると、そろそろ帰宅の途に着くべきだろうと考えていると、無双祭さんからこんな提案が。
「もし面倒でなければ、この近くにある道の駅に行ってもらえない?」
「道の駅? 別にいいけど……」
 なぜこのタイミングで道の駅?
 僕が怪訝そうな顔をしていたのでしょう。無双祭さんから解説が入りました。
「実は、この近くに『道の駅あらい』ってところがあるんだけど、そこは普通の道の駅じゃなくて、とにかくドデカイ道の駅なんだよ。敷地内には飲食店や土産物屋はもちろん、ホテルまであるぐらいのさ」
「道の駅にホテルだって!? 確かに、そりゃすげぇね」
「そこに行けば、土産物もひと通り揃うだろうから、どうかと思って」
 どのみち関係各位への土産物を、高速に乗ったところで、新潟県内にあるサービスエリアで買おうと思っていた僕には、渡りに船の話ですが、気になる点もありました。
 例によってナビが6年前のものなので、『道の駅あらい』が近年造られたものだとすると、登録がない可能性があるのです。
 検索してみるも、それらしい箇所は出てきません。
「こりゃ、困ったね。行きたいのは山々だけど、行き方がわからねぇ」
 すると無双祭さんから、こんな助言が。
「あっしは前に1度行ったことがあるんだけど、『道の駅あらい』は、新潟と長野を結ぶ主要道路である国道18号線沿いにあったはず。だから18号線を目指せば、ナビなしでも行けないことはないと思うよ」
「じゃあ、いっちょ道路標識を頼りに行ってみますか」
 こうして気合を入れて出発した僕でしたが、なんと駐車場を出て、直進していたら18号線へとたどり着いたのです。散々ナビをいじっり、気合を入れたのが恥ずかしくなるな、こりゃ。
 無双祭さんの言うとおり、18号線を長野方面に南下していると、間もなく『道の駅あらい』を発見したので、そちらへと進入。
 車内から敷地内を見渡すと、無双祭さんの言ったとおり、敷地内にはホテルをはじめとして、いくつもの店舗が軒を連ねていて、ちょっと静岡では見られない規模の道の駅で、ビックリしました。
 適当なスペースを見つけて、僕は車を停めました。 (つづく)