魁! 無双祭塾!(第17話)

『道の駅あらい』に到着した僕ら。
 時刻は5時30分。せっかく幾つもの飲食店が入っている道の駅に来たので、少し早いですが夕食をとることにしました。
 すると無双祭さんから、こんな耳よりな情報が。
「前に来たことがあるんだけど、ここには『きときと寿司』って店があって、そこが美味しいんだよ」
 無双祭さん曰く、『きときと寿司』は富山の会社で、『きときと』は富山の方言で新鮮だとかピチピチと言う意味なそう。つまり新鮮な寿司屋というわけです。
 あー、日本海の幸が楽しめそうでいいなぁ。
 じゃあ、そこに……と思ったのですが、次の無双祭さんの発言で事態は一変。
「でも500円の皿とか1000円の皿とかあるから、美味いからと言って調子に乗って食べると、後でエライ目に遭うよ」
 こ、こ、こ、高級店ってことですか!
 安いのもあると無双祭さんは言うものの、一丁前に高級な素材が好きな僕には、安い皿しばりでの食事では、かえってストレスがたまるので気が進みません。
 しかし、無双祭さんは、ここまで来た以上は『きときと寿司』に行きたいはず。それを他の店に誘うと言うのも酷な話です。
 こうなったら、いつものあの作戦しかない!
 僕は決断しました。
「無双祭さん、ここは自由行動にしませんか?」
 せっかく一緒に旅に出ているのだから、常に共に行動するのが筋だと思う方もいるでしょうが、一方に合わせて一方が行きたいところに行くことができないのも如何なものかと思うので、僕は自由行動推進派です。
 無論、僕と数多の旅に出ている無双祭さんも、自由行動に抵抗はないのでしょう。あっさりと認可されました。
 1時間後の6時30分に車へ集合と約束し、僕らは一旦解散しました。
 1人になったところで、まずトイレに行き、その後は関係各所への土産を物色・購入。念のため『メガシャキ』も購入。
 買い物を終えたところで、敷地内に入っていたラーメン屋に入り、『油そば』を食しました。
 えっ? 新潟まで来たんだから『ラーメン』じゃなくて、『きときと寿司』で日本海の幸を食べればいいのにって?
 ここのラーメンだって、静岡じゃ食べられないでしょうが!
 次回、いよいよ最終話です。 (つづく)