怨足(第5話)

 観光客で大混雑の道をかいくぐり進み、時刻は10時40分。
 いよいよ第3チェックポイントに到着しました。
 ちょうど全行程の4分の3程の地点と見られたので、ここで1番勝った者が駿府夢広場に重りをしたまま突入することとしました。
 ジャンケンの結果、見事に勝ち残ったのは……前回に引き続きホリコ!
 ただでさえ体力的に厳しい後半で2連勝するなんて、アンタどんだけ男気に溢れてるんだいッ! てやんでぇ、涙でかすんで前が良く見えねぇぜッ!
 こうしてゲッソリしたホリコと共に、僕らは大混雑が一向にやまない街道を歩き出します。
 その後、久能山東照宮の入り口を通過。大混雑の原因は、イチゴ狩りのみならず、東照宮が平成22年に国宝に指定されたことで、観光客が増加したこともあるのではないかと、みんなで結論付けました。
 地元に国宝ができて栄えるのはいいんだけど、さすがにここまで歩くのが大変だと、そりゃ愚痴も言いたくなるってもんですよ。
 何はともあれ、東照宮よりさらに西にある駿府夢広場を目指します。さらに歩くこと数十分。山の上にそれらしき施設を発見。
「いやぁ、ようやく目的地が見えましたな」
「それはいいんですけど。……あれ、相当、山の上ですよね?」
「……」
 テンションが上がったのも束の間。恐ろしく山の上に見えた『駿府夢広場』に動揺を隠せない僕ら。
 そして予想は的中。長い坂道が僕らを待っていたのです。
 第2チェックポイントの市民病院前で、既に勃発していた僕のケツの痛み(日頃の運動不足による筋肉痛)も、過激な坂道のせいで、見る見る間に増幅されます。
「あーッッ! なぜあの時点でモルヒネ様をケツに打ってもらわなんだ!」
 絶叫する僕でしたが、後ろに重りを付けさせられたホリコがいると思うと、振り返ることはできませんでした。
 ホント、後半の重り2連発は察するに余りあるよ。
 それでも僕らは、何とか坂を登りきり、駿府夢広場のだだっ広い駐車場へと到着。さらにはそこを抜けて、いよいよ駿府夢広場の本館へと向かい、入場料を払って入館しました。時刻は11時過ぎ。これにて夢ウォークは、無事に企画完結とあいなったのです。
 と、ここで終わっても良さそうな感じですが、参加者一同のその後のグダグダっぷりを公開するべく、もう少しだけ続きます。 (つづく)