怨足(第6話)

 めでたく駿府夢広場に入場した僕らは、飯より何より、まず風呂で汗を流そうと決まり温泉へと向かいました。
 この辺りからでホリコから腕に着いた重りが返却され、以後、僕が持ち歩くことに。
 クソ、3キロとはいえ、疲れた体には意外と重く感じられるぜ……。
 この重りの持ち主であり、企画の開始前と終了後に、自動的に持ち歩くことになるため、ノリとはいえ、手に重りを巻くことを易々と認めた自分の愚かさを、ひどく後悔したわけですが、もはや後の祭りです。
 とはいえ、温泉を目の前にすれば、(重りを付けていないこともあり)テンションも上がるというもの。
 さて、そちらの感想ですが、『温い!』というのが、第一印象でしたか。
 たくさんの種類の温泉があったのですが、総じてどれも温いと感じられました。もしかしたら、長湯できるように敢えて、温度を温く設定しているのかもしれませんが、もう少し気合の入る熱さの湯があっても良かった気がします。
 まぁ1000円に満たない入場料なんで、あんまり贅沢も言えないんですがね。
 などと綴ると、悪いイメージばかりになりそうですが、もちろん良いところもあるんです。
 全国各地にある名湯に行くのが、密かな楽しみである僕には、和歌山県龍神温泉の湯が用意されていたのは嬉しかったです。あとは健康になれる(であろう)薬膳の湯があったのも面白かったですね。後者は、おっさんが密集して入っていたので、どうにも入る気になれず、最後まで入らずじまいだったのですが、次に行く機会があったらチャレンジしたいと思います。
 そんなこんなで、およそ1時間(もちろんずっと浸かっていたわけではない)ほど、温泉を満喫した僕らは、いよいよ飯を食うべく風呂を後にしました。
 しかし! 3連休の中日であるこの日は、大変込み合っており、食堂には長蛇の列ができていました。
 メニューを見た僕が唸ります。
「余程、美味そうな物があるならともかく、待ってまで食べたいと思うものはねぇなぁ」
 すると、みんなも同意見だったようで、この際、フードコート的なところで、ジャンクフードでも食べて、腹を満たせようとの話になったのですが、ここもまた空きが全くない状態。それどころか、空き待ちしている他の客が虎視眈々と空席を狙っている始末です。
 果たして、僕らは無事に昼食を食べられるのか!? 次回に続きます。 (つづく)