怨足(第9話)

 無料のお化け屋敷に突入した僕ら。さすがにおどろおどろしい雰囲気が漂っておりますが、なんと言っても無料の代物。これといった見せ場もなく出口へと到着しました。
「いやいや、あっという間に終わってしまいましたな」
 などと、仲間と話しているうちに、1番ゾッとしたのは、お化け屋敷の中じゃなくて、入り口の前の井戸(造り物)のところにあった生首のモニュメントだったんじゃないかとの結論に至りました。
 そこで、とりあえず本日の企画を欠席したジョイトイ君に、写メのみを送信してみることに。
 ……はい、すみません。完全に泥酔した上での嫌がらせですね。今度、原稿用紙2枚ぐらいの反省文を書いて、彼に提出したいと思います。
 なにはともあれ、ジョイトイ氏からの、
『なんてもん、送ってくれとんのじゃ!』
 との困惑気味の返信に気を良くした僕ら(僕だけかもしれない)は、続いて散らかせるスポットを探して、駿府夢広場内を闊歩することに。
 しばらく道なりに進むと、海産物を取り扱っていたであろう食堂の廃墟がありました。
 せっかく魚の美味い清水なんだから、美味い魚を食わせる店が施設内に1つぐらいあっても良いと思うので、営業の再開を切に願っています。まぁ本館同様、平日が暇過ぎて、儲けが出ないのでしょうけど。
 さらに歩を進めて行くと、足湯を発見。さすがに温泉に入ったばかりで、わざわざ足湯に入らなくても良いとの結論に至り、浸かりはしなかったのですが、注目すべきは先客。
 なんと、デニムのショートパンツから太ももをガツンと出した女子がいるではありませんか!
 僕の大好物(笑)です。
「あー、あんな子と、どうにかこうにかなりたいもんだね」
 しばらく、その眺めを楽しむ僕とドン引きの友人達。しかし出会いは、別れの始まり……というか、あまりにジロジロと見て、不審がられては一大事なので、ここは瞼の後ろに太ももを焼き付けて、涙を飲んで僕は、その場を去ることにしました。
 続いて、僕らがたどり着いたスポットは、忍者養成施設……といえば、聞こえは良いのですが、要は子供の遊び場。
 ええい! こんなところ見るまでもないわ!
 時計を見ても時刻は1時半過ぎ。清水駅のバスが来るまで、あと1時間半もあります。果たして時間を潰すことはできるのか!? (つづく)