美食倶楽部歌下手王決定戦(第2話)

 今回から数話の内容は、もはや筆者の異常心理と言っても過言ではない仕上がりです。どうぞ、心臓の弱い方は読み進めないで下さい(苦笑)。とは言っても、読まないと企画の根幹がわからなくなるので、今回の企画が読みたい方は我慢して読むしかないのですが。
 前回でご紹介したように、筆者はカラオケが死ぬほど嫌いです。音痴な上、歌うことがこの上ないストレスとなるため嫌いなのです。
 ですから飲み会の2次会などで、
「カラオケにでも行きますか!」
 などと、なったら、
「じゃあ、俺は帰るわ」
 と、間髪入れずに応えて、そうそうに帰路に着きます。
 会社の上司とかの発案で、絶対に断れない状況でない限り、まず上記の神対応(?)です。
 そんな僕のカラオケ嫌いを知っている美食倶楽部の仲間達は、飲み会のあとにカラオケに行こうとは、まず誘ってきません。
 そうあの(クソ)野郎以外は……。
 その恐れ知らずの(クソ)野郎とは、ハルロー・オブ・ジョイトイその人です。
 彼は僕のカラオケ嫌いを知ってか知らずか、飲み会の後に高確率で、
「2次会どうする? カラオケにでも行く?」
 などと、ほざきやがるのです。
 そのたびに僕が、
「カラオケに行くなら、俺は帰らせてもらうぜ」
 と、言い放ち、話し合いの末、結局は居酒屋で飲み直すパターンが繰り返されるのです。
 別に行きたい人だけで、カラオケに行ってくれて全然構わないのですが、他のメンバーが僕に気を遣って、そんな形に落ち着くのです。
 そのたびに自分が我を通すことを申し訳なく思うと同時に、なぜジョイトイがカラオケを提案し、場の空気を若干なりともピリつかせるのかを不思議に思うのです。
 彼がウィーン少年合唱団のような天使の歌声の持ち主なら、その美声を披露したがるのもわからないではありません。
 しかし彼は、1度だけ一緒にカラオケに行ったことのあるうちの嫁に、いきものがかりの『ジョイフル』をお見舞いし、トラウマレベルの心の傷を負わせる程、アレなんですよ。
 心の闇の公開は、次回へ続きます。(つづく)