美食倶楽部歌下手王決定戦(第3話)

 前回の終盤は、かなり婉曲的な表現をしましたが、要するにジョイトイは歌がお下手なわけです。
 僕自身が音痴であるため、人の事をどうこう言えた立場でないのはわかっていますが、人の歌を聞いて、それが上手いか下手かを聞き取る力は人並みにあると思います。
 それでも空前絶後の音痴である僕のジャッジでは、信用度が心もとないとお思いの方、安心してください。裏は取ってありますよ。
 やはり僕自身の思い込みで、彼を歌下手と決めてしまうのは良くないと思い、それとなくジョイトイとカラオケに同行したことのある方、数名に僕が訊ねたところ、
「まぁ上手くはないよね」
 というのが、統一された回答。
 ここで改めて断言しましょう。ハルロー・オブ・ジョイトイは歌下手なのです。
 結論が出たところで、改めて考えなければならないことがあります。
 それは『歌が下手だと、カラオケが好きではいけないのか?』ということ。
 もちろんそんなことはないと思います。
 ドラえもんの登場人物として著名な剛田武先生(ジャイアンのことね)も、アレですが歌が好きですしね。
 歌は下手だけど、カラオケ好きという方がいても、自分はまったく何の問題もないと思います。
 しかしながら、ジョイトイのこととなると、別の視点から話を掘り下げなければなりません。
 彼のプライドの高さは、かのエリートサイヤ人ベジータを遥かに凌駕し、東京スカイツリーの高さに匹敵すると言われています。
 よく考えてみて下さい。
 そんな彼が、自らが音痴であると自覚した上で、好んでカラオケに行きたがるだろうかって話です。
  無論、行きたがるはずはありませんよね?
つまりジョイトイは、自分の歌に自信があるのです。
 何年か前まで、彼は筆者と同様、カラオケがあまり好きではなく、積極的に行きたがりはしませんでした。
 それがいつからか、カラオケ推進派へと変わったのです。
 いったい彼に何が起こったのか?
 筆者の心の闇が描く心理描写は、さらに次回へと続きます。(つづく)