美食倶楽部歌下手王決定戦(第5話)

 いよいよ本格的に企画へと進む前に、いつにも増して経緯が難しいので、ここで前回までのあらすじを振り返りましょう。
 筆者ゲンが大のカラオケ嫌いであることを知りつつ、執拗に飲み会等の2次会でカラオケを勧めるジョイトイ。なぜジョイトイ自身も歌が上手ではないのに、カラオケに行きたがるかを思考した結果、彼は自身の歌声が優れていると勘違いしているのではないかとの結論に至る。
 ジョイトイの勘違いを気付かせるには、音痴代表とも言えるゲン(筆者)が彼とカラオケ対決を行い、勝利を収めることができれば、さすがに目も覚めるであろうと、ゲンは考える。
 カラオケは嫌だが、ジョイトイに今後ずっとカラオケに誘われるのは、もっと嫌だ。
 白黒をはっきりつけるべく、ゲンはジョイトイにカラオケ対決を申し出たのであった。カラオケ好きのジョイトイは、それを承諾(おそらく勝つ気満々)。対戦が正式決定したのだった。
 以上が、前回までのあらすじですね。
 ここからは対決に関するルールのご説明です。公平を期すため、筆者とジョイトイの話し合いの結果、次のとおりとなりました。
・ 勝負は採点機能付きのカラオケで取り行う。
・ 課題曲を5曲選び、ゲンとジョイトイ双方が課題曲を歌い、最終的に合計得点の高い方が勝者となる(1曲ずつ勝敗を決し、白星を3つ先取した方が勝ちとのルールも検討されたが、「それだと3曲で勝負が付く可能性があるからなー」とのジョイトイの自信満々発言で、合計得点対決となった)。
・ 事前に練習することを防ぐため、課題曲は当日ゲンとジョイトイが話し合いで決める。なお双方ともよく知っている曲を課題曲とする。
・ 相手が歌っているときに奇声を上げる、マイクを抜くなどの不正行為は一切禁止(全てゲンの発案の作戦です)。
・ 敗者は勝者に昼飯をご馳走する。
 以上、美食倶楽部逆カラオケ王座決定戦のオフィシャル・ルールでした。
 これだけ見れば、ただのお遊び感が否めませんが、いやはや、これは今後の美食倶楽部主催の飲み会において、いかなる2次会が開催されるかを方向づける世紀の1戦と言えましょう。パッキャオVSメイウェザーばりの。
 ちなみに勝敗の行方を見届ける役割と共に、対戦後の余り時間(筆者は必要最低限、つまり5曲しか歌わないので)がもったいないので、筆者の嫁も立会人として参加します。
 次回からいよいよ決戦スタートです。(つづく)