美食倶楽部歌下手王決定戦(最終話)

 どえらいハンデをもらい戦いに挑んだものの、敗北を喫したゲン。
 ジョイトイが高らかに勝利を宣言します。
「どうやらカラオケの腕前は、俺の方が上みたいだな」
 こいつに、こいつにだけは負けるわけにはいかんのじゃ!
 進退極まった僕は、最終手段に打って出ます。最終手段とは……暴力(笑)。
 関節技を極めて、
「私の負けです」
 と、ジョイトイに宣言させる作戦です。
 呆れる嫁を尻目に、カラオケルームにおいて、まさかの飛びつき式腕ひしぎ逆十字固めを狙う僕でしたが、既に柔道から身を引いて17年。僕に往年の技のキレはありませんでした。あっけなくジョイトイに技を防がれ、これにて万事休す。
 完全敗北を認めざるを得ない状況に追い込まれたのです。
ジョイトイよ。よくぞワシを倒した。しかし光ある限り闇もまたある。ワシには見えるのだ。再びカラオケ嫌いの何者かが現れよう。その者はワシよりも歌が上手く、お前は勝てないかもしれぬぞ。そしてお前は思い知るのだ。自らの歌が下手なことを。ワハハハハハ……。グフッ!」
 と、僕がゾーマドラクエ3のラスボス)っぽいセリフを残したのかどうかはさておき、勝負はジョイトイの完勝に終わったのでした。
 試合終了後は、もちろん僕が自発的に歌うことがあるはずもなく、嫁とジョイトイが交互に歌い、既定の時間に達したところで速やかに撤収。
 近くのラーメン店で、当初の約束どおり、僕がジョイトイに昼食をご馳走した後、彼を家に送り届けて企画終了となりました。
 今回の企画を通じて、改めて自分の音痴が相当なレベルであること、心底カラオケが嫌いであることを実感しました(苦笑)。ですから、もう2度とこの手の企画は実行されないと思いますが、誰かが同一のルールでジョイトイとカラオケ対決をしてくれるなら、それは見てみたいかも。
 ジョイトイと戦いたい方、もしくはどうしてもゲンの『悲しみのベアークロー』(有料)を聞きたい方は、個別に連絡下さい。
 自信満々でジョイトイにカラオケ対決に挑んだものの、あっさりと全敗。さらには相当なハンデをもらった一戦においても敗北。負けが決まりそうになると暴力に及ぶ等々、個人的に相当な屈辱を味わったものの、今回の企画は第三者的立場からすると、相当面白かったのではないかと思います。
 筆者自身、(個人的な屈辱を抜きにすれば)かなり面白い仕上がりになっていると思いますもん。
 お金も時間もあまりかけずに、これだけのものができるのなら、やっぱり企画は知恵の出し方で、大型企画をこなさなくても、どうにかなることを改めて実感しました。
 この経験を踏まえて、次回からの企画に活かしていけたらと思います。
 それではまた次回の企画でお会いしましょう。


美食倶楽部歌下手王決定戦スタッフ


 Cast


ゲン(カラオケ嫌い)
 嫁 (カラオケ大好き)
ジョイトイ(カラオケ好き)


スタッフ


文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:ゲン『悲しみのベアークロー』
企画:美食倶楽部
制作総指揮:ゲン