美食倶楽部の怪談ナイト(第2話)

 ジョイトイをイベント同行者として確保できた僕は、大人数で、ぞろそろと行く企画ではないとの思いもあり、それ以上の同行者を募ることはせず、続いてチケットの購入を進めます。
 正直なところ、このときの僕には、この『稲川淳二の怪談ナイト』なるイベントが、どれだけの人気を誇り、チケットの入手が容易なのか困難なのか、想像もついていませんでした。
(第1話に続き、またもや稲川さんには失礼ですが)、チケットが発売と同時に飛ぶように売れて、販売開始数十分で完売になるとは思えませんが、自分の動きが遅かったせいで、万が一にもチケットが取れなかった場合、もしくはチケットが取れたものの、離れ離れの席になった際、
「誘っておいて、この体たらく。なんたる醜態じゃ! ヒィ、ヒィ、ヒィッ!」
 などと、企画力ゼロ男のジョイトイに言われた日には、もはや切腹するしかない事態に陥ります。
「良いお席はお早めに」とは、よく聞くフレーズですが、まさにそのとおりと、僕はジョイトイとの約束から数日後、会社帰りにローソンへ。次世代型高性能マシーン(?)・ロッピーにて、チケットの発行を目論むも、ここでまさかの苦戦を強いられることに。
 それというのも、『稲川淳二の怪談ナイト』たるイベントの明確なジャンルが分からず、なかなか先に進まなかったのです。
 スポーツでもコンサートでもないし、いったい何なんだ?
 悪戦苦闘しながら、しらみつぶしに検索を続けた結果、最終的に伝統芸能的なジャンルで発見しました。淳二の怪談は伝統芸能だったんだ(笑)。
 程なく無事にチケットを購入したわけですが、今に始まったことではないのでしょうけど、全国のローソンでイベントチケットが取得できることに、改めて世の中が便利になったことを痛感しました。
 しかしながら席を選べない、若干の手数料を取られるといったデメリットも感じたので、やっぱり筆者は対人でチケットを購入する方がいいかと思いました。個人的にですけど。
 あとはイベント開催当日を待つばかりです。
 見せてもらおう、稲川淳二の怪談ナイトのポテンシャルを! (つづく)