美食倶楽部の怪談ナイト(第7話)

(前回から繋げて、そのまま読んで下さい)
 それでも、することと言えば風呂に入って、寝るだけですからね。
 まぁ気にすることもないだろうと、さっそく私達は風呂を済ませることにしました。
 風呂上がりに、ベッドに横になってテレビを見ていたんですが、朝も早くて疲れていたんでしょうね。すっかり眠くなった私達は、まだ9時ぐらいだったんですけど、明かりを消して眠ることにしたんです。
 そうして眠っていたときのことですよ。
 眠り始めて、どれぐらいの時間がわからないんですが、妙な音が聞こえた気がして目が覚めたんです。
 カサカサッ、カサカサッ。
 えっ、なんだろう?
 気になった私が、耳を澄ませると、確かに聞こえるんです。
 カサカサッ、カサカサッ。
 電灯は完全に消してあったので、姿は見えないのですが、確実に何かが室内にいるんですね。
 うわぁ……いったいなんだよ。怖いなぁー、怖いなぁー。
 もちろん見知らぬ人達がたくさん泊まっている場所ですから、万が一に備えて内側から鍵をかっておいたはずなんです。
 それにも関わらず、室内に何者かが入り込んでいるようなんですね。聴覚から察するに、どうも置いてあった荷物をあさっている様子なんだ。
 カサカサッ、カサカサッ。
 荷物をあさる音は、結構な長い時間続いているんです。
 コソ泥か何かなぁ。嫌だなぁ、怖いなぁ。
 と、最初こそ恐怖を覚えていたんですがね、徐々に目が冴えてくると、腹立たしくなってきたわけですね。財布等の自身の持ち物は当然のことながら、せっかくの友人からの引き出物なんかも盗られたら嫌じゃないですか。
 そこで私は、荷物をあさる何者かに声を荒げたんです。
「何してやがるッ!」 (つづく)