私の愛したカピバラ(第2話)
10年程前のこと。25才ぐらいで元気一杯だった僕は、誰と一緒だったかは忘れましたが(同行してくれた友人、すみません)、伊豆半島を周遊する日帰り旅行に出かけました。
そのときの僕は、
「おぅおぅ、伊勢エビでも食っちゃるけんのぅ」
と、えらい強気で下田付近の食堂に入ったものの、伊勢エビが絡む定食がどれも3,000円を超えていることに、すっかり怖気づいてしまい、
「おぅおぅ、アジのたたき丼をもらおうかのぅ」
と、1,300円程度で食事を済ませた次第。
アジのたたき丼も美味しかったのですが、せっかく伊豆まで行ったにも関わらず、値段に驚いて本当に食べたかったものを食べないとあり、もはや某Jトイを尻の穴が小さいなどといじられないレベルの失態を犯したのです。
それはそれは関係各所から、
「そこは伊勢エビでしょ!」
と、突っ込まれたことは未だに忘れません。
あのときのリベンジを今こそ果たすべきである!
これで企画の概要は決まりました。
あとは誰と行くかですが、僕がカピバラを長時間ハァハァと息を荒くして見つめる姿を、友人達に見られるのもどうかと思うので、ここは嫁にお伺いを立てることに。
「カピバラが見たい? ……まぁいいけど」
そんなに乗り気ではないものの、承諾を得ることに成功。
とはいえ、こちらの希望を通した手前、金銭負担はこちらが多めにしなければならない雰囲気(ちなみに我が家は別会計です)。
ここはもうやるしかねぇ!
僕は小遣いを握りしめて、パチンコ屋へ。
「ギャァァァッ、負けたァッ!」
そんな方がブログ的には美味しかったのですが、このときは見事に勝利を収め、無事に旅費の2万円を手に入れました。ムフフフ。
こうしてパチンコで勝った金で、伊豆で豪遊(?)する準備が整ったのでした。(つづく)