私の愛したカピバラ(最終話)

 念願のカピバラの餌を購入し、嫁に写真の準備を促していると、何やら手に持った青草が引っ張られる気配。
 えっ、なになに?
 何事かと思い、手の方をみると、なんと目ざといカピバラさんが、既に俺の手に握られた青草を見つけ、喰らっているではありませんか!
「おい、餌がなくなる! ていうか、カピバラ食うの早ぇ! 急いでくれ!」
 嫁に哀願するも、慣れない僕のスマホの操作に手間取るうちに、既に青草は消滅していました。
 これではベストショットが残せないではないかッ!
 僕は泣く泣く2束目の青草を購入しました。
 ……これで400円か。入園のときの割引が、これでほとんどパァだ。トホホホ。
 ベストショットは取れたものの、若干の疲労感を身にまとい、僕は『カピバラ虹の広場』を去りました。
 その後は、メキシコ風のロックガーデン等を見学し、午後4時過ぎ、僕らは『伊豆シャボテン動物公園』を後にしました。
『シャボテン動物公園』という名前にも関わらず、シャボテンの展示については、個人的にはまぁあれでしたが(笑)、カピバラさんを中心とした動物関係で楽しめたので、伊豆の中でも屈指の楽しい観光施設であると思います。
 帰り道も行きと同様、一般道路にてのんびりと自宅を目指した結果、午後7時頃に帰宅。無事に企画終了となりました。
 帰宅後に、どうにもパチンコが打ちたくなり、しれっと家を出て行く僕を、嫁が心底蔑んだ目で見ていたのは、また別のお話です。
 それはさておき、総括を。今回の伊豆旅行は念願の伊勢エビも食べられて、カピバラとも触れ合えて、大変に満足の行く旅行でした。
 当初、僕に付き合わされる形となった嫁からも、
「思いのほか楽しかった」
 との言葉が出たので、自己満足ばかりでもないかと。
 まぁ強いて言えば、ほとんどトラブルらしいトラブルがなく、企画のわりにブログのボリュームが伸びなかった(テレビ的な表現をすれば撮れ高が少ない)のが、唯一の難点だったなぁ。
 そのことを嫁に告げると、
「じゃあなに? 私がジョイトイ君のように奔放に振る舞えばいいわけ? それがお望みならそうしますけど?」
 とのこと。
 おお、怖い怖い。稲川淳二より、よっぽど怖いぜ。
 戦慄したところで、また次回作でお会いしましょう。 (私の愛したカピバラ 完)


 Cast


ゲン
 嫁


スタッフ


文章:ゲン
シリーズ構成:ゲン
テーマソング:『炎のたからもの』ボビー
企画:美食倶楽部
制作総指揮:ゲン