キクチクエストⅡ(第1話)
高校卒業と同時に静岡を去り、遠い群馬の地で就職、結婚したキクチから、『家を建てることになった』とのめでたい連絡があったのは、今から1年半程前(平成27年秋)のことでした。
こいつは完成したら1度訪問して、生きている大きめの哺乳類でも新居に放してやらなくては(笑)!
そう思いつつも、日常に追われている間に1年が経過。
新築が新築でなくなってしまう前に行っとかないとまずい!
痛切に感じた僕は、いよいよ必死で動き始めます。
まずは同行するメンバーへの声掛け。
諸般の事情を鑑みた結果、NOVさん、ホリコ、そして筆者ことゲンの3名で訪問するのが最善と判断しました。
なぜって? それは大人の事情があるからさ。
なにはともあれ、正月明けに計画を練るとの口実で、居酒屋で飲みつつ3人で話し合いをもった結果、4月22日(土)に全員都合が良い見込み。
そこで改めてキクチにお伺いを立て、了承を得て、ようやく企画が実現することになりました。
さらに計画を詰める中で、昼前後に到着する旨を報告すると、キクチから何とも嬉しい申し出が。
『うちで飯を食っていけ』
なんと言うことでしょう! 10年前に訪問した際には、わざわざ静岡から訪問した僕らに対し、
「俺、今日の夜、飲み会入れちゃったから、おめぇらもう帰って」
と、平然とのたまわった彼も、随分と丸くなったものです。
あれ、なんでだろう? 涙が止まらないよッ!
あとは誰かに突発の仕事でも入らない限り、問題はないだろうと思っていた矢先、意外なところから計画に綻びをきたす魔の手が忍びよってきたのでした。
(つづく)