キクチクエストⅡ(第2話)

 意外なところから忍び寄る魔の手。そいつの名は……歓送迎会。
 1月に計画を立てたときには、すっかり頭から抜けていたのですが、群馬遠征の前日4月21日(金)にブチ込まれたのです。
 半分、仕事みたいなものなので、当然ながら欠席するわけにもいかず、今回の僕は転出組となるので、お世話になった方々に礼を欠くこともできません。あれよあれよという間に3次会まで行き、ビール、ジン、ハイボール、焼酎を次々と飲み干しました。
 いい気分でタク送にて自宅に帰り、床に着いたのは、午前2時。
 翌日の起床予定時間は6時。
 ふむ、酒は抜けないだろうけど、運転担当じゃないから、車内でゆっくりすればいいや!
 ねぇさん、そんなゲスの極まった感のする僕には、当然ながらバチが当たるわけで……。
 翌朝。僕は猛烈な二日酔いで目を覚ましました。
起き上がるのも大変な上に、気持ち悪い。すぐにお水を持ってトイレに籠る始末。
 こんな体調じゃ、とても遠征は無理……。
 完全に心が折れかけましたが、こっちから言い出した企画で、昼飯まで用意して待っているキクチや、休日の朝から群馬に行く気満々で準備するNOVさんとホリコを裏切るわけにはいきません。
 ていうか、自己管理ができない結果、ここでドタキャンしたら、俺はクズだよッ!
 経験則から、この体調の悪さは午前中には落ち着くはず!  きっと昼飯は美味しく食べられるはず!
 僕は気合を入れ直し、再び支度を進めます。体調に不安を抱えながらも、準備を整えた僕は、7時半頃、迎えにきてくれたホリコの車に乗り込みました。
 そして車に乗った途端、僕の意識はぶっ飛ぶのでした。(つづく)