キクチクエストⅡ(第3話)

 車が停まった感覚に目を覚ますと、そこは東名清水ICから程ないところにある富士川SA。
 ちゃんとした新築祝い(笑)は僕があらかじめ用意しておくので、静岡色満載のオモシロ手土産は当日の朝、富士川SAもしくは併設された富士川楽座で購入しようと、事前に打ち合わせておいたので、それに基づきホリコが立ち寄ってくれたものと察しました。
 しかし、このときの僕は二日酔いによる体調悪がMAX状態。オモシロ土産を探すどころか、なにはさておきソルマックを探す始末。最低です。
 ところが、というべきか当然というべきか、SAや道の駅って、酔い止めや眠気覚ましはあるけれど、二日酔いの薬は置いてないんですよね。飲酒運転で来てもらっちゃ困るからか、はたまた需要がほぼないからなのかは知らないけれど。
 圧倒的絶望!
 打ちひしがれて思考能力を失った僕は、土産の選定をほぼ2人に丸投げし、ミネラルウォーターを自販機で購入し、車に戻りました。
 後部座席に座った途端、すぐに意識が遠のきました。
 自分で書いていてアレだけど、本当に酷い人間であると、自覚しております。
 次に意識が戻ったのは、埼玉県の狭山PA。時刻は10時30分頃。富士川SAを出発したのが、8時30分頃だったので、およそ2時間、意識が遠のいていたことになります。
 その間、友人らに聞いた話によると、
「なんか電話に出て、すっごい敬語で話してたよ」
 と、言うことなのですが、まったく記憶にありません。
 マジでか? なんか怖いなぁー。嫌だなー、嫌だなー。
 恐る恐る携帯の履歴を確認すると、確かに嫁からの着信があり、数十秒通話している模様。
 イヤァァァッッ!
 再び『美食倶楽部の怪談ナイト』っぽくなったところで、次回に続きます。(つづく)